紅梅は緑風に乗って香る−3
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頭が痛いけど護られるように抱きしめられていて心地いい。
重い瞼をそっとあけると、目の前は山吹色だった。
「?」
寝起きの良くない春麗は少し考えて、泣きながら寝たことを思い出した。
「…」
そっと視線を上げてみると、まだ寝ている綺麗な顔。
何も言わずにぎゅっと抱きついて、広い胸に顔を埋めた。
背中にまわされた手が震えている。
「怖い夢でも見たか?」
ふるふると首を振る春麗を抱き、頭に口付けを落として髪を撫でる。
「どこにも、行かない…私には、春麗だけだ」
前の夜に遠くで聞いたような気がする言葉と同じ言葉が降ってくる。
「鳳珠さ…」
驚いた表情で顔を上げた春麗が鳳珠の名前を言い終わる前に、触れるだけの優しい口づけが降ってきた。