紅梅は緑風に乗って香る−3
名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「大丈夫ですわ」
と答えてからお茶を足してから一口飲んで、今度は春麗から鳳珠へ手を伸ばし、指を絡めて、肩にコテンと頭を乗せた。
「不安か?」
「…えぇ…でも、鳳珠様がそばにいてくださるから…」
「あぁ。ことが動くとしたら…すぐではない。もう一つ二つは波乱があってからだろうな」
「御史台がわたくしを探りにきていましたね。おそらく、秀麗の絡みとは別な気がしています。今日の仙洞省で聞いた”金と人事”が気になるところですわ。どのように転がっていくのか…」
「葵皇毅には釘を刺しておいたから、よもやおかしな真似はしないと思うが…妙な気配がしたら、すぐに言うようにな」
「…」
「…」
「鳳珠様、ここで今感じることのない、何か妙な気配がします」
「そうだな、春麗、私も妙な気配を感じる」
二人は揃って体を起こして窓の外を見ると、紅い布がはためいたのが目に入った。
「また、来たか…」
「ですわね」
お茶を飲んでため息をつく。
「春麗…」
鳳珠が徐に甘い雰囲気を出して、春麗の髪を撫で始める。
するりと首筋に触れる冷たい指先に、春麗はピクッとしてから、トロンとした表情で鳳珠を見つめた。
明らかに、先ほどより外の気配が大きくなった。
「鳳珠様…」
そっと春麗が鳳珠の胸に寄りかかる。
優しく抱き寄せるように肩を抱いて、髪を再び撫でると、我慢しきれなくなったのか
バンっ!!
と扉を開けて男が入ってきた。