紅梅は緑風に乗って香る−3
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「春麗はどう思うか?」
帰邸してから軽く食事をしながら鳳珠が尋ねる。
「今日の塩の話ですか…そうですね…鳳珠様、さっき、銅の価格も上がっているとおっしゃってましたよね?」
「あぁ、悠舜がそう言っていた。どちらも同じぐらいの時期ー三月前から動いているようだ」
野菜を摘んで咀嚼しながら少し考える。
(三月前から価格の上昇、その後に贋金騒動…そちらは囮、とすると…)
ふっとおそろいしいことが浮かび、フルっと身震いした。
「どうした?」
「…食べ終わってから話しませんか?」
思いついたことが恐ろしくて、一気に食欲が落ちたが、鳳珠はまだ食べるようだったので少し時間を稼ごうとする。
それに気がついたのか、鳳珠は食べる速度をあげて、あっという間に終わりにしてしまった。
「あまり一気に食べると体に良くないですよ?お話は…鳳珠様のお室でも良いでしょうか?」
「聞かれたくない、ということか…わかった」
瑞蘭に、お茶の用意だけ頼んで移動する。
「少し、仕事の話をしますので」
「かしこまりました。湯浴みの用意は一刻後には入れるようにしておきますので」
「ありがとうございます」
結婚前から二人の仲をヤキモキしていた家人たちは結婚後の仲の良さを一同で喜んでいるし、ようやくきてくれたお嫁さんとの新婚蜜月の邪魔をする気は全くないので、必要以上に近寄らないが、こと”仕事”となると寝食を忘れて打ち込みがちな夫婦のため、適当に切り上げさせることを含めて、先回りして色々用意をしておかなければいけなくなる。
(明日以降も続くようだったら、家令と皆に共有しておかないと…)
瑞蘭はパタパタと浴場の用意を頼みに向かった。