紅梅は緑風に乗って香る−2
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「あらやだ!秀麗ちゃん以外に女の子がいるじゃないの〜〜〜〜!!!」
新貨幣の鋳造に関して話が、と呼び出された尚書令室で、春麗はいきなり抱きつかれた。
「え…と?」
「…悠舜、こちらの方は?」
ただでさえ贋金の話が戸部に回ってこなかったことで不機嫌だった黄尚書が、仮面の下で鳳珠の顔に戻って若干青筋を立てながらさらに不機嫌そうに尋ねる。
「碧幽谷殿ですよ、今回の話をお願いしています。ちなみに、吏部の碧官吏の姉君です」
「珀明さんの?」
少し驚いた声で春麗が反応する。
「あらっ、あなたも珀明をご存知なのっ?私は姉の碧歌梨よ」
「初めまして、戸部の紅春麗です。珀明さんとは同期です」
「春麗ちゃん、ね。秀麗ちゃんと姉妹かしら?あの子ったら、秀麗ちゃんだけじゃなくて春麗ちゃんまで隠しているとはなんてことなの!あら、珀明のお嫁さんにいいかしらと思ったけれど、あなた結婚しているのね」
手を取って指輪を繁々と眺める
「なかなかいい意匠じゃない、趣味のいい旦那様ね。それから…うーん、でもちょっと春麗ちゃんの方が体型良すぎるわね…」
ぺたぺたとあちこち触りながら何やらぶつぶつと言っている。
「鳳珠、碧幽谷殿は…随分面白い方のようですね」
「そうだな…こちらに見向きもしない様子を見ると、女人にしか興味がないのかもしれないな…」
「ご主人もお子さんもいらっしゃいますよ、こう見えて。でも、可愛い女の子がお好きで貴陽に来た時は妓楼に泊まっているそうです」
「はぁ…」
景侍郎が驚いた顔で再度見ると、春麗が困った顔をして視線で助けを求めてきた。
なんとなく収集がつかなくなりそうな空気を察して、悠舜が
「お話を始めましょうか?」
と切り出した。