紅梅は緑風に乗って香る−1
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「魯尚書、それでわたくしの役割とは…?」
侍郎として正式に礼部に出仕した日、春麗は魯尚書に確認をした。
「あなたが進士の時に出してくれた課題…国試と進士教育の改革をやりたいと考えています。そのために来てもらいました。下官では、主導権を持って進められませんからね。もちろん、礼部の仕事は把握していただく必要がありますが、あなたならすぐでしょう」
「吏部の李侍郎の時でも大変だったと聞きます。まだ2年目のわたくしに…」
「戸部と違って若い官吏も多いです。あなたにとってもいい刺激になると思いますよ。前例のない2年目での侍郎職ですから、他部門からの反発もあると思いますが、去年の杜・紅州牧ほどの衝撃はないでしょう」
魯尚書からの慰めになるようでなっていない言葉を聞きながら
(本当に大丈夫かしら)
と春麗は首を傾げた。
吏部尚書補佐の時間を短くし、午前は礼部、午後は戸部、という棲み分けで実際に仕事を始めてみると、礼部内では進士時代のこともありさしたる反発もなく、比較的順調に馴染んでいっている。
最も、周りから見た春麗の仕事の仕方は”黄尚書にそっくり”らしいが。
春麗にとっても、戸部官たちと珀明以外に話す相手がいなかったが、少しずつ礼部に知り合いも増えてきたことは、いいことだった。
そして春麗がいる時間が短くなった吏部尚書は、午後のお茶の時間に戸部に入り浸るようになる…