藍より深い碧の大地−2
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ひんやりとした空気が頬に触れた気がして、ふと目が覚める。
あたたかいほうへ擦り寄る
こつん、と当たった感覚が掛布や枕と異なり、うっすらと目を開けた
麗しい顔が目に飛び込み、次の瞬間、長い腕で抱きしめられた
「おはよう、春麗」
いつかのように、ちゅっ、と音を立てて唇を啄まれる。
「…お、はよう、ございます…あ、あの…?」
鳳珠は春麗の手を取り、薬指の指輪に口付ける。
(あっ…)
春麗は口付けられた指輪をぼうっと眺める。
(そう、だった…わたくし、鳳珠様の…)
ぱちぱちと瞬きをしているうちに、昨夜の情事を思い出してきて、恥ずかしさ首まで真っ赤になり顔を背ける。
「妻の春麗からのおはようの挨拶は?」
「ふぇっ?」
赤い顔を向けた春麗にわかるように
「こ、こ」
と、いつかのようにトントンと鳳珠は指先で形のいい唇を叩く
黙って赤くなって俯く春麗に
「愛しい妻は朝の挨拶をしてくれないのだな…」
と鳳珠が悲しそうに眉を下げて言う
「そういうわけでは…」
これまたいつかのようにあわあわと慌て始めるのを少し楽しそうに見てから、
「我が妻は恥ずかしがり屋さんだな」
と笑う。
「もうっ…」
小さなむくれてから、春麗はふと考える。
(鳳珠様、さっきから"妻"を連呼してるけど…たしか柴凜様は…)
少し迷いながら鳳珠の顔を見ると、ん?と表情で促す様子に、意を決する。
「おはよう、ございます…旦那様…」
真っ赤になって一瞬だけ唇を当ててきた春麗に、鳳珠は固まった。
ちらりと見るとじわじわと赤くなる鳳珠。
(鳳珠様、かわいい)
と口には出さずに思ってから、そっと抱きついた。