藍より深い碧の大地−2
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春麗と珀明は櫂州牧のいる室に向かった。
様々な人が出入りしてごった返している様子に、新米二人が現れたので奇異な眼で見られる。
すこし怯むものの、きちんと順番を待って挨拶する。
「櫂州牧、事前のご連絡もなしに押しかけまして申し訳ございません。皆様お別れを惜しんでいると思いますから、私どもは手短に」
「貴女が会いに来てくれるのは大歓迎ですよ、紅官吏。今度は礼部も兼ねるとか。頑張ってくださいね」
「ありがとうございます。本日はお願いがあってきました」
春麗は横にいる珀明の顔を見る
「吏部下官の碧珀明です。紅官吏とは同期になります。甚だ不躾なお願いで恐縮ですが、茶州に行かれた際に、同期の杜影月と紅秀麗に私たちからの文を渡していただけないでしょうか?」
「もちろん構いません、お引き受けしますよ」
受け取った櫂瑜はその重量にすこし目を見張る。
「随分と長い手紙を書かれたようですね…遠くにいてもここまで思ってくださる同期がいて、お二人は幸せ者ですな。春麗殿の文も一緒に預かりますぞ」
「お願いいたします。私のはこの文箱に…長くはないですが、鄭州尹と浪州尹の分も入っております。あと、私事でご報告があったのですが、ここではちょっとお伝えできないので、櫂州牧宛の文も書いてまいりました。茶州へ向かう際にでもお目通しいただけますと幸甚です」
「わかりました。必ず読みますよ。私もまた文を書きますので、様子を知らせてくださいね」
櫂州牧はニコリと笑って受け取った
「貴女たちの活躍をとても楽しみにしています。また貴陽に来た際には、碧官吏もご一緒に、ぜひお会いしましょう」
”伝説の官吏”からの一言に、珀明が感動したのは言うまでもない
かけられた温かい言葉に春麗は嬉しそうに微笑み「道中のご無事をお祈りしております」と挨拶した