藍より深い碧の大地−1
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(秀麗が出てから八日…崔里関塞に着いたみたいね…ただ…)
羽林軍の”鍛錬”にかかった金額を確認しながら、すぅっと遠くを見ていた目を書翰に戻す
ふるふると首を振ってから意識を仕事に戻した。
(これが終わったら、茶州学舎の方に手をつけないと)
パチン、と頬を叩いてから筆をとる。
秀麗が茶州に戻ってから、日に日に目の下の隈が濃くなっていく様子と、日に何度か遠くを見てからの一連の動きをする春麗の姿を見て、鳳珠と柚梨は顔を見合わせて心配そうに小さくため息をついた。
「お前、最近忙しいのか?目の下、すごい隈になってるぞ」
いつものように待ち合わせ場所に行くと、朝の挨拶もなしに珀明が詰め寄ってくる。
「おはようございます、珀明さん…そうですか?まぁ忙しいと言っても泊まり込みというほどではないですし、吏部に比べれば…」
茶州の様子を見て心配して寝不足、とは言えない。
実際、寝不足からくる頭痛も出てきてはいるのだが、眠ろうとしても深く眠れないというのが実態だったりする。
(鳳珠様のおかげであの進士の時よりは休んでいると思うけど…)
しっかりと化粧で誤魔化してはきたが、珀明に言われるようだと誤魔化しきれないところまで来てしまった、と少し後悔する。
「そうなのか?あまり無理しないようにしろよ。俺たちの人生は長いんだ、さっさと身体壊して退官、なんて許さないからな」
珀明特有の言い回しだが、心配してくれていることは春麗にはわかっている。
「えぇ、そうね。ありがとう、気をつけますわ」