藍より深い碧の大地−1
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「珀明さん、そろそろ例の法案、出してみる時期かしらね?」
朝の出仕時は相変わらず春麗と珀明は一緒に行っていた。
「あぁ、いい頃合いかもしれないな。出す前に、少し誰かに見てもらって、手直しの必要があるか確認してみるか?」
「禄のところが少し気になっているのよ。色々調べて作ったつもりだけど…景侍郎にお願いしてみるわ」
戸部のお茶休憩の時に、
「お時間のある時で構わないので、柚梨様にこちらを見ていただきたいんですけれど…」
と遠慮がちに春麗が書翰を差し出した
「私と、吏部の碧官吏とで書いてみたものなんです」
柚梨が目を向ければ、女人医官制度の導入について、と書いてあった。
「これは…」
「柚梨様と鳳珠様が女人官吏の処遇に対する法案を通してくださったと聞いた時から考えていたんです。後宮女官と話した際に、医官が男性しかいなくて…その、色々相談しにくいという話が出たことと、これから主上が妃嬪を迎えられたり、女人官吏が増えてきた時のために、準備をしておいた方がいいかと思いまして。ただ、禄のところとかいくつかしっくりこないところもあるので、ご意見をいただけますとありがたいです。お忙しいのに申し訳ないですが…」
「そう言うことでしたら、構いませんよ。後で確認しておきますね」
柚梨はさっと目を通して内心で舌を巻いた。
ただ、医官となるとただでさえ女人への風当たりの強い工部での反発が気になるところではある。
(それも含めて、後宮に確認にいったとしたならば大したものですね)
話が切れたあたりで、春麗に文が届いた。
以前からお願いしていた羽羽仙洞令尹からの返書だった。
仕事に絡むことになったので、表情を変えて話し始める。
「黄尚書、景侍郎、明日の朝、羽羽仙洞令尹と面会が入りましたので、仙洞省に行ってから戸部に出仕します」
「わかった…あっちの方は貴族派が多い、気をつけてくれ」