白銀の砂時計−2
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翌日、早めに邸を出た春麗と鳳珠は早咲きの梅を見にきていた
まだ蕾が多いが所々咲いている梅林を手を繋いで歩く
「今までも外に出かけたりはしていたが…”恋仲”として外に出ると、また違うものだな…」
春麗はポッと赤くなる
「それ、は、どういう…?」
ちらっと上目遣いで尋ねた
「そうだな…こうやって指を絡めて歩くのも…」
ギュッと繋ぐ手に力を入れてから引いて梅の木の下に行き、木に寄りかかってそっと抱きしめる
「こんなふうに腕の中に愛しい春麗を閉じ込めることができるのも」
手を離し、春麗の前髪から頬をそっと撫でてひとつ口づけを落とす
「こうやって可愛い唇に口付けられるのも、春麗と恋仲になった私だけだろう?幸せだ、と思ってな…」
「鳳珠、様…」
真っ赤になった顔を胸元に埋めると、喉の奥でくつくつ笑う声が聞こえて、「愛している」と頭に口づけを落とされた。
鳳珠の綺麗な指先がそっと頬を撫でる
「紅梅みたいに真っ赤になってるぞ」
「もう、鳳珠様のいじわる…」
「春麗が好きすぎて、意地悪をしたくなるのかもしれないな…」
「どうして?」
「私の一言で表情が変わるのが嬉しくてたまらない。春麗への想いを自覚してだいぶ経つが…口に出してしまったら歯止めが効かなくなってしまった」
ギュッと抱き寄せて続ける
「この腕の中から出したくない」
春麗はそっと鳳珠の胸元に手を当てる
「わたくしも…同じ気持ちですわ…鳳珠様の腕の中が一番安心できます」
ふわりと笑って答えた春麗の頬に手を寄せた鳳珠は
「少し冷えてきたか?外套を着ているとはいえまだ冬だからな。午後は柚梨が娘と来ると言っていたから、街に出て何か買って帰ろう」
と言って、軒に戻るべく歩き始めた