茶都・月の宴−2
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夕方近くなり、鳳珠が迎えにきて黎深と一悶着あったあと、明日の朝に吏部に行くことで手を打って帰邸する。
自分の室に戻ってホッと一息つく。
(育った邸より鳳珠様のお邸の方が落ち着くなんて…)
なんだか不思議な感覚に苦笑いしていたら、瑞蘭が「どうされたのですか?」と声をかけてきた。
「いえ…こちらのお邸は落ち着くと思っただけです」
それを聞いた瑞蘭が
「まぁ、それは嬉しいですわ!私たちも、春麗様がいらっしゃらないとなんだか寂しいと今日話していたところですよ?」
と喜んだ。
「本当によくしていただいて…ありがとうございます」
「新年はどうされるのですか?」
「そうですね…茶州にいる双子が朝賀で帰ってくるので、色々聞きたいこともありますし、その日は食事は一緒にとろうと思っていますが…」
「春麗様がお戻りになってくださったら、私達は嬉しいですわ。もちろん、お館様も喜ぶと思います」
「そう、でしょうか…?いつも鳳珠様にもみなさまにもお時間作っていただいたりお手数をおかけして、ご迷惑ではないかと…」
瑞蘭はクスクスと笑って
「本当に春麗様は奥ゆかしいですわね。ご心配なさらなくて大丈夫ですわ。いらっしゃらないと寂しく思いますので、よろしければぜひ帰っていらしてくださいね」
と促す。
「ありがとうございます」
「先ほど、春麗様が作ってきてくださった采で晩酌されるとお館様がおっしゃってましたから、用意をしましょう」
と促した。
年末は比較的穏やかに過ぎていった。