茶都・月の宴−2
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頭が柔らかくて、腕の中も温かい…
ここはどこだ?と、ゆるゆると覚醒した鳳珠は、目の前に薄紅の衣が飛び込んできて、パチパチと瞬きをした。
顔を起こしてみると、上には大人びた天女の微笑。
春麗…?
「おはようございます、鳳珠様」
と可愛い声が降ってきた。
どうやら、春麗の膝枕で寝ていて、いつのまにか寝返りを打って、腕は春麗の腰に回っていたらしい…
(無自覚とは恐ろしい…)
心の中でため息をつきながら、ゆっくりと起き上がる。
なんとなく気まずくて、視線を逸らして話す
「どのくらい寝ていたか?」
「さぁ、一刻ほどでしょうか?」
「そんなにか?さぞかし脚が痺れただろう、済まなかった」
「お休みになれていたならよかったのですけれど」
嫌な顔もせずに春麗が柔らかく微笑む
「私に付き合わせてしまったからな、何かしたいことはあるか?」
膝枕の代償というわけではないけれど、聞いてみたら湖に足をつけてみたい、というので手巾を持って移動する。
濡れない位置で沓を脱ぎ、裾を持ち上げてそろそろと水に入っていった。
「フフ、気持ちいいです。結構冷たいですね」
春麗が楽しそうにはしゃいで無邪気に笑う。
先ほどの大人びた微笑みとはまた違う、年相応の笑顔。
キラキラと輝く湖面に、キラキラの笑顔の春麗
水に浸かった脚元をみれば、すらりと白くて細い足首…
今日は春麗のいろんな面が見られた気がするが…
とはいえ、鳳珠は少し目のやり場に困って、対岸の少し色づき始めた山を見つめた
「春の新緑の時期も綺麗だから、その頃に、また来てみるか」
「えぇ、ぜひ見てみたいですわ。そのころは…まだ湖には入れないかしら?」
「そうだな、この辺りは街中より少し冷える。湖に足をつけるのはまた夏が近くなった時にとっておこう」
「きっと連れてきてくださいね」
随分先の約束をして、微笑み合う。