はじまりの風−1
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その足で、三師の室へ向かう。
「天寿、入ります」
「お前さん、どこに行っておったんじゃ」
「ちょっと外朝で捕まって手伝いを…」
なんとなく、部署を言うのは憚られた。
彼らならすぐに調べればわかるだろう。
「ふーん、まぁわしらのところは忙しくはないから、すきにせい」
「ところで、王と秀麗殿は運命の出会いを果たしておったぞ」
(あ〜やっと会えたのね)
「府庫から、王の側近たちと新しい武官が見ておったわい」
「王の側近?なんで仕事もしないでフラフラしている王の側近が離れてみているの?」
霄太師がニヤリと笑う
「王の側近もまだ王に会えていないのだよ、かれこれ一ヶ月ぐらいかのう?」
「霄、お前いつか絶対、絳攸殿に刺されるぞ」
茶太保の発言にギョッとする
「絳攸殿、って絳攸兄様!?」
「あぁ、紅黎深の養い子だ」
「もう一人は藍楸瑛、左羽林軍の将軍だ」
(藍家で唯一残っている人、だったわよね…)
「新しい武官は、お前さんは知っておるじゃろう」
(絳攸兄様と藍将軍にはどこかで会わなければいけない。静蘭もいるとなると、この姿は…まずいわね。もしくは”天寿”で会っておいて、春麗の方を隠すか…)
「ところで天寿、一戦やらないか?」
木刀を持ち出して、宋太傅が近寄ってくる。
「今日は疲れましたのでこちらで失礼します!!」
と脱兎の如く逃げ出した。
「チッ、逃げられた・・・」
という宋の声と、二人の笑い声が背中に聞こえた。