茶都・月の宴−2
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それから一週間くらいして、珀明との出仕時に、ちらちらと狙ってきている人が目に入り始めた。
朝の往来であることと、影がうまく動いて直接的に攻撃はしてこない。
(返り討ちにする自信はあるけど…)
できることなら穏便に済ませたい。
おそらく黄尚書邸の方にも来ていて、これも影が凌いでいるのだろう。
そうなると、どこかの時点で直接攻撃をかけてくる可能性が高まる。
(ぎりぎりまで引っ張って、前日の夜に歩いて帰って潰すしかないかしら…)
重いため息をついたのをみた珀明が、ここのところ話題にしている秀麗達のことを気にしてると思って話しかけてくる
「あいつら、まだ琥璉につかないのかよ!?もう就任式まで一週間切っているんだぞ!」
「就任式の時に不在だと、州牧としては認められないわね…」
「お前、やけに落ち着いているな?心配じゃないのかよ?」
「心配…ではあるけれど、合流できているみたいだから、静蘭と燕青殿がいらっしゃればなんとかなるでしょうし、琥璉にさえ着けば、鄭州尹がうまくやってくださるでしょう」
(黎深叔父様と鳳珠様が絶大な信頼を置いていらっしゃる悠舜様なら、秀麗たちに悪いようにはしないはず…というより、うまくいくようにしてくださるはず…)
「鄭州尹って、十年くらい茶州にいて立て直しされてた方だよな?」
珀明が確認するように聞いてくる
「えぇ…悪魔の国試組の状元よ。紅尚書、黄尚書の上をいかれる方だから、お仕事に関しては間違いがないと思うわ。茶州に行かれたのは自主左遷と聞いているけど」
「ひぇっ、それで茶州にいくというのもすごいし、あの二人より上か…そりゃすごいな」
気を紛らわす発言をしてみたものの、秀麗たちが無事に着くか、そして春麗は自身がいつまで狙われるのか…
それぞれの思いで、あと一週間、がやたら長く感じられる二人だった。