花は紫宮に咲く−3
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茶州組の壮行会は邵可、楸瑛、絳攸、珀明そして春麗で、秀麗、静蘭、影月、燕青を送り出す。
珀明ははじめ憧れの絳攸がいたから緊張していたようだが、段々と打ち解けて楽しい会になった。
「秀麗、これを」
「?」
「黄尚書から秀麗に、と。”鴛鴦彩花”の通行手形よ。気をつけて行ってくるように、とのことだったわ」
秀麗はしげしげと見ている。
「おー、姫さん、よかったな!ほんと李侍郎さんのおかげでいい賃仕事させてもらったよ」
「春麗、ありがとう。よくお礼をお伝えしておいて。それにしても、黄尚書、本当にいい人よね。もし中央に戻ったらあの人の下で働きたいわ。春麗が羨ましい」
春麗配属の顛末を知っている絳攸と楸瑛は顔を見合わせて曖昧に笑う。
「なのにいまだに仕事が恋人なんて…あの人を顔で判断する女の人は、自分がなんてもったいないことしているかわかっているのかしら?どうせ五十を過ぎたらみんな同じなのに」
「・・・」
顔の下を知っている邵可と燕青と春麗は無言を通した。
(確かに、顔が良すぎることが唯一かつ最大の欠点だわ。しかも、若い頃より美貌が上がっているところが不思議よね…)
話を切り替えるように、春麗が口をひらく
「燕青殿、お手数ですが、これをあの方に…今回は早馬でも別で手紙を出しますが、こちらもお願いします」
「あぁ、わかったよ。あいつ、春麗姫さんに会いたがってたぜ」
「きっと…そう遠くないうちにお会いできる気がしますわ」
翌日のこともあり、早めに宴会は終わることにした。
片付けをしている時に
「最近賑やかだったのに、一気に寂しくなるね」
邵可はぽつりとつぶやいた。