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0章 神様との約束

だから、たいてい老人はきらきらと綺麗な光の粒を纏っていた。

人は誰であっても、いづれ老いて死んでいくものだから仕方ないと言ったって、昔お世話してくれたり遊んでくれたり、毎日笑顔で話しかけてくれる人たちの残りの時間を見せつけられるのはとても切ないものだった。

老人はまだいい。つらいのは、まだ若い人から光がこぼれているのを見てしまったときだった。

かつて自分たちが小学生の時、川瀬の両親から光の粒がこぼれだしたのを見たときはあまりのショックと悲しさで長いこと眠れない夜を過ごした。

川瀬の両親は当時まだ三十代で、元気に川瀬旅館を切り盛りしていた。とても明るく、この町の商店街通りの朝は彼らの笑い声やあいさつする声で始まるというくらい、川瀬旅館の主人夫婦はこの町の中心のような存在だった。

そのとき川瀬はまだ8歳で、どんなに長く見積もっても川瀬が大人になる前に両親を失ってしまうことになるという重大な事実に彼は悩み苦しみ、この大切なことをなんとか川瀬にだけは教えられないかと考えた。

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