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0章 神様との約束

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彼は生まれてくる時に、神様と約束をした。


あなたしか見えない“それ”は、絶対にひとに話したり、教えたりしてはいけません

もしも話してしまったら、あなたから何かを代わりにもらわなくてはなりません



なんだか一方的な約束だし、それなら何故そんな目を与えるのかなどという疑問もあったが、生まれてからはもう神様は語らなくなってしまったので彼はしかたなく約束を守りながら生きることにした。

そんな彼は、物心ついたときから、世の中では見えないとされている不思議なものを見ながら生活をしていた。

幽霊や、妖怪とか妖精とかと呼ばれるようななんだかよく分からない存在は彼を取り巻く世界の当たり前の一部であった。

当たり前の日常だから、それらを怖いとか気持ち悪いと思うことはなかった。ただ、自分が見えてる世界と、他の人が見えてる世界は違うということは、彼が大きくなるにつれて少しずつ理解していった。

ただ、彼が見える不思議なものの中で、唯一、とてもイヤなものがあった。

それは、人がある時期になると、その人自身からこぼれだす光のことだった。

その人が寿命を迎える日まで10年を切ると、その人からきらきらと光の粒がこぼれだすのだ。
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