序章


これは、大陸の端に浮かぶ、細長い島でおきた物語。


かつてそこには、人間とは違う種族が住んでいた。


けれど、時と歴史の荒波にもまれ、彼らはいつしか静かに消えていく。


そして、後の世になるまで、彼らの存在は人間に気づかれなかった。





これは、島に根を下ろそうとした人間と、消えゆくさだめにあらがおうとしていた彼らが、まだ同じ島に生きていた時代、


一族を失ったにもかかわらず、生き残った赤と青の二人の物語である。
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