【カラ主】「主人公さまは客観的に見て可愛らしいかと」
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セイカのソーシャルメディアに自分と撮った写真が上がることはないだろうか、とカラスバは彼女のアカウントを除くことが日課になっていた。
あの写真は普段ならまず撮れない内容でできるなら自分で見返す為(なんといじましい!)に見つけ次第確保しておきたかった。
本人に送るように頼めなかったのはカッコつけやからや…。
彼氏のフリしてあげるなんて宣言しておいて、単に一緒に写真を撮りたかっただけなのがバレたら、たぶん顔から火が出る。
そんなんなったらスマートに口説けへんやんけ。なんやっけ、ミミロルみたいに可憐……、みたいな?
オレもセイカにああいうことを言ってみたい。
写真を眺めて悦に入ることはスマートとは程遠いがそこは無視する。
そして待てど暮らせど、まあほんの数日が長く感じただけだが、写真はどこにも見つからないので。
権利が自分にない以上は仕方ないと諦めて彼女の何気ない日常の投稿を楽しむようになっていた頃、おかしなアカウントがあることに気が付いた。
…調べとくか?
カラスバの嗅覚は肌にピリつく「汚れ」の臭いを感じ取る。
手始めにここ最近のセイカの投稿を振り返る。
それは初めは当たり障りのない、だが少しどこか上から目線のコメントだった。
日を追う事に内容が説教じみたものになり、新しいものは眉を顰める様な罵倒も混じっている。
「ジプソ、ちょっとばかり人を寄越して欲しいねんけど」
バトルにおいて彼女に敵う人間がそういないことは理解しながら、こういった「暗い」ところのある案件はこちらの得意分野に思えた。
杞憂が杞憂で終わればいい。
これも”かわいい”からというわけか?
難儀やな、嫌な思いすることのほうが多いんと違うか?
遣る瀬無い思いがカラスバの体を満たしていく。
そして事態はカラスバが思うよりややこしい方向へ転がっていった。
xx
「カラスバさま、セイカさんの周りを暫く張らせていたのですが」
「どないなった」
「まずミアレの人間ではなく多少手こずりました。社会的信用がある人間のようで、地元で名士らしく尻尾を掴ませなかったのですが」
ジプソの持ってきた写真を眺める。真面目そうで堅い風貌の男だ。スーツを爽やかに着こなし特に年配の女性から可愛がられそうな雰囲気を出している。
「こらあかん。やり合うとサビ組が悪者にされるのは目に見えとんなあ」
ゴロツキなら脅してその辺りに転がしておいても問題にならないがこの場合はそうもいかない。
「弱みはありそうなん?」
「はい。取引先を洗ってみました。市政からの受注にいくつか怪しいところがあり交渉のテーブルに付けることは可能かと。この情報はいかがなさいますか?」
「それやねんけど」
「オレたちで勝手に片付けてええもんかと思ってな。本人は片が着く所を見ないと安心できひんやろ」
「ではあちらに渡しますか?」
情報を渡してあちらで解決してもらうか。それも悪くない。けどこれだけだったら弱いな──
もうちょっと腰据えて調べなあかんな。
「もうちょっと粘ろか」
ジプソが力強く頷いた。頼れる部下や──
眉を下げて困った顔で笑っていたセイカを思い出す。笑ってはいたけど、こういうことが起きてるのに我慢して笑っとったんかな。
カラスバの胸の中で、遣る瀬無さに似た怒りと、彼女を安心させてやりたい暖かい気持ちが混ざりあった。
xx
セイカは難しい顔をしてスマホロトムを眺めていた。デウロ、ピュールもその周りに集まってくる。
「あの写真あげないことにした」
「それでよかったと思うよー」
デウロが険しい顔で食事の席に着く。
「だってその人変な感じだもん」
その人と言うのは最近セイカのアカウントにコメントを寄せてくる男の人のことだ。
最初は好意的なコメントを付けていたのにだんだん過激になっていって、最近はしつこく批判を書いてきてセイカを困らせていた。気味が悪くてどうしたら良いものかと悩みの種だ。
「いざとなったら勝てるとは言ってもさ」
「セイカさんに敵う人はいませんけどそれでも心配ですね……」
ピュールも深刻な顔をして心配してくれてる。
折角カラスバさんも協力してくれたのになあ。
事務所で撮った写真を眺めると、自分とカラスバには見えず不思議な気分になる。本当に恋人ができた時にこういう写真を撮るかといったら多分やらないほうだが、なかなか貴重な経験だった。
男の人の胸に甘えることがそもそもないもんな。
写真に映るYシャツの男性がカラスバだと気付く人はいないだろう。紫がかったシャツは彼のトレードマークの1つだが、サビ組のボスが女の人を捕まえてこんなことをするわけが無いから。
撮った時は気づかなかったが最初に撮った1枚はともかくあとのはなかなか刺激的だ。
カラスバさんの指が私の髪の毛にゆるく絡められ、毛先をもて遊んでいる。ただその手に撫でられているだけでそこにあるものが絵になるから怖いものだ。
そのまま指の背が眼窩をなぞり、頬を降りてきて、親指と人差し指で顎を掴む。
顎に添えた指で私の顔を上向けてカメラに向けさせている。
やや不躾とも取れるその仕草に支配的な雰囲気を感じて汗ばむ。
いやいや…カラスバさんて…なんかすごいな…。
人に見せる目的で撮る類の写真ではない。親密に過ぎる。自分で時々見返してもドキドキするのに皆が見る場所にこんなものを?
これを見た人が、2人が普段何をしていると想像するか。
甘い震えがセイカの背筋を駆け上がる。
いやいやいや、今、変な想像しなかった?
カラスバさんと?
いやよくない。
カラスバさんが最近私を女性として扱ってくれているような気がして、それが私をおかしくさせている。
私の見た目のことに触れたり、デートに行ったか尋ねたり。男性のことで困っていたら相談に乗ると言ってくれたり。サビ組とMZ団が協力関係にあることを差し引いても少々親密度が過ぎるように思える。
「セイカホントに大丈夫なの?」
デウロの声が耳に入り、私はようやく現実に戻ってくる。慌ててスマホロトムを仕舞い食卓に集中しようとした。
「暫くはあたしかピュールと行動してよ」
「ホテルに居る時はボクが付いてますよ」
「バトルやモミジさんの調査は厳しいなあ…」
「じゃあさーできるだけ早めに帰ってくるとか」
食事中も仲間たちの議題は私の安全に関することで持ち切りで。
こんな時だが仲間が付いていることを心強く思う。
これ以上みんなに心配かけないためにも嫌な気分に呑まれて行動を左右されてなるものか。そう決めて目の前の食事に取り付くことにした。
あの写真は普段ならまず撮れない内容でできるなら自分で見返す為(なんといじましい!)に見つけ次第確保しておきたかった。
本人に送るように頼めなかったのはカッコつけやからや…。
彼氏のフリしてあげるなんて宣言しておいて、単に一緒に写真を撮りたかっただけなのがバレたら、たぶん顔から火が出る。
そんなんなったらスマートに口説けへんやんけ。なんやっけ、ミミロルみたいに可憐……、みたいな?
オレもセイカにああいうことを言ってみたい。
写真を眺めて悦に入ることはスマートとは程遠いがそこは無視する。
そして待てど暮らせど、まあほんの数日が長く感じただけだが、写真はどこにも見つからないので。
権利が自分にない以上は仕方ないと諦めて彼女の何気ない日常の投稿を楽しむようになっていた頃、おかしなアカウントがあることに気が付いた。
…調べとくか?
カラスバの嗅覚は肌にピリつく「汚れ」の臭いを感じ取る。
手始めにここ最近のセイカの投稿を振り返る。
それは初めは当たり障りのない、だが少しどこか上から目線のコメントだった。
日を追う事に内容が説教じみたものになり、新しいものは眉を顰める様な罵倒も混じっている。
「ジプソ、ちょっとばかり人を寄越して欲しいねんけど」
バトルにおいて彼女に敵う人間がそういないことは理解しながら、こういった「暗い」ところのある案件はこちらの得意分野に思えた。
杞憂が杞憂で終わればいい。
これも”かわいい”からというわけか?
難儀やな、嫌な思いすることのほうが多いんと違うか?
遣る瀬無い思いがカラスバの体を満たしていく。
そして事態はカラスバが思うよりややこしい方向へ転がっていった。
xx
「カラスバさま、セイカさんの周りを暫く張らせていたのですが」
「どないなった」
「まずミアレの人間ではなく多少手こずりました。社会的信用がある人間のようで、地元で名士らしく尻尾を掴ませなかったのですが」
ジプソの持ってきた写真を眺める。真面目そうで堅い風貌の男だ。スーツを爽やかに着こなし特に年配の女性から可愛がられそうな雰囲気を出している。
「こらあかん。やり合うとサビ組が悪者にされるのは目に見えとんなあ」
ゴロツキなら脅してその辺りに転がしておいても問題にならないがこの場合はそうもいかない。
「弱みはありそうなん?」
「はい。取引先を洗ってみました。市政からの受注にいくつか怪しいところがあり交渉のテーブルに付けることは可能かと。この情報はいかがなさいますか?」
「それやねんけど」
「オレたちで勝手に片付けてええもんかと思ってな。本人は片が着く所を見ないと安心できひんやろ」
「ではあちらに渡しますか?」
情報を渡してあちらで解決してもらうか。それも悪くない。けどこれだけだったら弱いな──
もうちょっと腰据えて調べなあかんな。
「もうちょっと粘ろか」
ジプソが力強く頷いた。頼れる部下や──
眉を下げて困った顔で笑っていたセイカを思い出す。笑ってはいたけど、こういうことが起きてるのに我慢して笑っとったんかな。
カラスバの胸の中で、遣る瀬無さに似た怒りと、彼女を安心させてやりたい暖かい気持ちが混ざりあった。
xx
セイカは難しい顔をしてスマホロトムを眺めていた。デウロ、ピュールもその周りに集まってくる。
「あの写真あげないことにした」
「それでよかったと思うよー」
デウロが険しい顔で食事の席に着く。
「だってその人変な感じだもん」
その人と言うのは最近セイカのアカウントにコメントを寄せてくる男の人のことだ。
最初は好意的なコメントを付けていたのにだんだん過激になっていって、最近はしつこく批判を書いてきてセイカを困らせていた。気味が悪くてどうしたら良いものかと悩みの種だ。
「いざとなったら勝てるとは言ってもさ」
「セイカさんに敵う人はいませんけどそれでも心配ですね……」
ピュールも深刻な顔をして心配してくれてる。
折角カラスバさんも協力してくれたのになあ。
事務所で撮った写真を眺めると、自分とカラスバには見えず不思議な気分になる。本当に恋人ができた時にこういう写真を撮るかといったら多分やらないほうだが、なかなか貴重な経験だった。
男の人の胸に甘えることがそもそもないもんな。
写真に映るYシャツの男性がカラスバだと気付く人はいないだろう。紫がかったシャツは彼のトレードマークの1つだが、サビ組のボスが女の人を捕まえてこんなことをするわけが無いから。
撮った時は気づかなかったが最初に撮った1枚はともかくあとのはなかなか刺激的だ。
カラスバさんの指が私の髪の毛にゆるく絡められ、毛先をもて遊んでいる。ただその手に撫でられているだけでそこにあるものが絵になるから怖いものだ。
そのまま指の背が眼窩をなぞり、頬を降りてきて、親指と人差し指で顎を掴む。
顎に添えた指で私の顔を上向けてカメラに向けさせている。
やや不躾とも取れるその仕草に支配的な雰囲気を感じて汗ばむ。
いやいや…カラスバさんて…なんかすごいな…。
人に見せる目的で撮る類の写真ではない。親密に過ぎる。自分で時々見返してもドキドキするのに皆が見る場所にこんなものを?
これを見た人が、2人が普段何をしていると想像するか。
甘い震えがセイカの背筋を駆け上がる。
いやいやいや、今、変な想像しなかった?
カラスバさんと?
いやよくない。
カラスバさんが最近私を女性として扱ってくれているような気がして、それが私をおかしくさせている。
私の見た目のことに触れたり、デートに行ったか尋ねたり。男性のことで困っていたら相談に乗ると言ってくれたり。サビ組とMZ団が協力関係にあることを差し引いても少々親密度が過ぎるように思える。
「セイカホントに大丈夫なの?」
デウロの声が耳に入り、私はようやく現実に戻ってくる。慌ててスマホロトムを仕舞い食卓に集中しようとした。
「暫くはあたしかピュールと行動してよ」
「ホテルに居る時はボクが付いてますよ」
「バトルやモミジさんの調査は厳しいなあ…」
「じゃあさーできるだけ早めに帰ってくるとか」
食事中も仲間たちの議題は私の安全に関することで持ち切りで。
こんな時だが仲間が付いていることを心強く思う。
これ以上みんなに心配かけないためにも嫌な気分に呑まれて行動を左右されてなるものか。そう決めて目の前の食事に取り付くことにした。