【カラ主】「主人公さまは客観的に見て可愛らしいかと」
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「スピルオマエさ」
スピルが事務所を訪れた時、カラスバは励ましの言葉をかけると決めているが今日は少し違ったことを言おうと決めていた。
「近頃はようけ声かけられてるようやけど…」
カラスバが切り出すとスピルは少しぎよっとして、
「あー、物珍しさからですよ」
と否定から入った。
その振る舞いが噂は真実であると教えているように思えた。
二人の間に微かな鍔迫り合いの空気が走り、スタートラインに立っているその他大勢に混ざっている自覚からカラスバが口火を切った。
「おまえ見た目もちゃんとええんやから。働かせまくっとるオレが言うのもなんやけど一緒にいたい人見つけるとかそっちも大事にしときや」
スピルに効果はあったようで滅多に見ることのない驚いた顔をしている。
「余計なお世話やったか」
「なんか意外で…」
「オレかてそんくらいは分かるで」
カラスバは自信ありげに微笑んだ。本当は後ろに控えている部下に教えてもらったことだし、誇らしげに言う程のことでもないのは分かっていたが。
スピルに感銘を与えることには成功したようでカラスバは満足する。
「意外……意外だな。カラスバさんに励ましてもらっていい気分なのでもうちょっとお話してもいいですか?」
「ほう、聞こか。なに?」
自然と前のめりになるがカラスバ自身はそのことに気づいていない。
「えーとね、誘われることはほんとに増えてる」
「ほうー?」
「まーそれだけですよ」
カラスバの頭に疑問符が浮かぶ。それだけなんて事があるか?決意して声を掛けた以上、さっさと事を運びたいはずだ。
「それだけやと分からんな」
「えーと、シュシュプみたいに麗しいとか、ミロカロスのように妖艶だとか、色んなことを言われる」
「なんやそれ」
「私もびっくりした」
笑ってはいるがスピルの眉は下がっており多少なりとも困っているようにも思えた。
けったいやなーと笑い飛ばしてもいいし歯の浮くような台詞と切り捨てる場面なのかもしれないが、驚きのほうが勝った。今の今までまともな褒め言葉の一つも出てこなかったカラスバには初めての世界だ。
「創意工夫が散りばめられとるなあ」
「うん。そういう事もあるんだなあってびっくりしたな。ミアレの人って凄い」
「素直に受け取っておいたらええやん」
「そうかな?あっ!私のことはこの辺で。お相手のこともあるんでなんでも話すわけには」
スピルはカラッと笑ってみせる。
「私だけ秘密がないのはずるいじゃないですか。今度カラスバさんの秘密も教えてくださいよ」
「なんやねんそれ」
「じゃあ、ワイルドゾーンで調べたいことがあるので!」
スピルは入ってきた時と同じくしっかりした足取りで出ていき、カラスバの心に波紋を残した。
やっぱりオレには可愛いとかきれいとかがよう分からんのやな。
さっきまで彼女が立っていた空間を見つめて、正面からぶつかっていける人のことを羨ましく思った。