【グリ主】仄か(カラ主あり)
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その日は季節外れの晴天になった。
「セイカさん、準備はいいですか」
バトルコートで対峙して睨み合っているおれと彼女、2人のポケモンだけ。
「カラスバさんからきみをたくさん喜ばせるように言われてるんで、しっかり受け止めてくださいね」
おれはカラスバに頼まれたことを忠実に実行しようとしている。この子を喜ばせる。できれば、おれの手で倒して、誰かが側にいると教えてやる。
その為におれの力を使えと言うのならカラスバの言う通りにしても構わない。
ギャラリーはいない。平日のなんてことない日だ。
それで良いと思った。カラスバの言う通りなら、この子との力を出し尽くしたバトルは互いに熱を絡めたセックスのようなものになる。こんな事をあの子に考えるなんておれも相当カラスバの色に染まっているらしい。
「では、楽しんでくださいね」
あの子の表情まではわからなかったがモンスターボールを握り締め力強く頷いたのはおれにも伝わった。
同時にボールを放るとポケモンの咆哮が響いて、2人を隔てる空気を震わせた。
彼女が上に来て、おれが押し返す。組み敷いたと思ったところでひっくり返されペースを好きに握られる。優位に立つ為に苦しいところを執拗に狙って、激しく突き上げる。逃げられたと思ったところで焦って追い縋ると、気付くとこっちが必死に汗を吹き出している。逃げられないように爪を立てて肌に食い込ませると噛み付かれる。捉えた喜びに震えていると消えないように懇願している。二人でまるで殺し合いのように追い詰め合った。
全てが終わったあと、おれの目の前には星が飛んでいた。
最後の1匹にもつれ込み立っていたのはおれではなくあの子だった。
彼女はぴょんぴょん跳ねて相棒と喜び、おれは地面にへたりこんで呼吸を整える。数字以上に差が開いた、そんな結果だ。
「すごくドキドキした!!グリさんもメガリザードン達もすごかった!!ダメかと思った!」
興奮して目を輝かせる彼女の声が上擦る。
「ね!グリさんのリザードンかっこ良かったね!」
そう彼女に言われるとボールに戻った相棒を誇らしく感じた。
あの子の肌で勝負で流れた汗がきらきらと反射している。おれのほうも似たようなもので、季節外れの陽気に汗が流れていく。飛び跳ねる彼女を霞む目で眺めた。
今日、彼女がよく寝付けると良いなあと願う。
勝手にそんなことを願いおれはふっと微笑む。無表情を決め込む余裕もない。見られても構わない。全てを出し尽くして体は重たいはずなのに、気持ちは軽く清々しいから。
「この子を重圧から解き放つ」だなんておれには早かったんだな。
それでもカラスバに頼まれたことの半分くらいは果たせたはずだ、と思い腰をあげようとしたところで視界が突然遮られた。
あの子の腕がおれの肩に回される。
少女の腕にふわっと包まれて陽だまりの中にいるように感じた。おれがカフェを通して街の人に与えたいと思ったものを突然与えられたそんな気がした──
彼女は言葉をひとつひとつ噛み締めるように、おれに囁く。
「グリさんありがとう。私もポケモン達もすごく幸せな気持ちで眠れると思う」
くらくらして、バトルの余韻と感情のうねりが残された体力を根こそぎ持っていかれる。
カラスバが自信ありげに笑っていたわけが分かった。全てを出し尽くして届かないギリギリになった状態でこの子は更におれを高いところに連れていこうとする。
「あの」と声を絞りだした。真上に来た太陽のせいで彼女の顔もはっきりとは見えないが、清々しく笑っているのだろう。
「おれの方こそありがとう」
何に対する礼なのか、相手がこの子なのかそれともここにはいないカラスバなのかわからなかった。
ただおれはここにいて誰かに必要とされた。
仄か/END
「セイカさん、準備はいいですか」
バトルコートで対峙して睨み合っているおれと彼女、2人のポケモンだけ。
「カラスバさんからきみをたくさん喜ばせるように言われてるんで、しっかり受け止めてくださいね」
おれはカラスバに頼まれたことを忠実に実行しようとしている。この子を喜ばせる。できれば、おれの手で倒して、誰かが側にいると教えてやる。
その為におれの力を使えと言うのならカラスバの言う通りにしても構わない。
ギャラリーはいない。平日のなんてことない日だ。
それで良いと思った。カラスバの言う通りなら、この子との力を出し尽くしたバトルは互いに熱を絡めたセックスのようなものになる。こんな事をあの子に考えるなんておれも相当カラスバの色に染まっているらしい。
「では、楽しんでくださいね」
あの子の表情まではわからなかったがモンスターボールを握り締め力強く頷いたのはおれにも伝わった。
同時にボールを放るとポケモンの咆哮が響いて、2人を隔てる空気を震わせた。
彼女が上に来て、おれが押し返す。組み敷いたと思ったところでひっくり返されペースを好きに握られる。優位に立つ為に苦しいところを執拗に狙って、激しく突き上げる。逃げられたと思ったところで焦って追い縋ると、気付くとこっちが必死に汗を吹き出している。逃げられないように爪を立てて肌に食い込ませると噛み付かれる。捉えた喜びに震えていると消えないように懇願している。二人でまるで殺し合いのように追い詰め合った。
全てが終わったあと、おれの目の前には星が飛んでいた。
最後の1匹にもつれ込み立っていたのはおれではなくあの子だった。
彼女はぴょんぴょん跳ねて相棒と喜び、おれは地面にへたりこんで呼吸を整える。数字以上に差が開いた、そんな結果だ。
「すごくドキドキした!!グリさんもメガリザードン達もすごかった!!ダメかと思った!」
興奮して目を輝かせる彼女の声が上擦る。
「ね!グリさんのリザードンかっこ良かったね!」
そう彼女に言われるとボールに戻った相棒を誇らしく感じた。
あの子の肌で勝負で流れた汗がきらきらと反射している。おれのほうも似たようなもので、季節外れの陽気に汗が流れていく。飛び跳ねる彼女を霞む目で眺めた。
今日、彼女がよく寝付けると良いなあと願う。
勝手にそんなことを願いおれはふっと微笑む。無表情を決め込む余裕もない。見られても構わない。全てを出し尽くして体は重たいはずなのに、気持ちは軽く清々しいから。
「この子を重圧から解き放つ」だなんておれには早かったんだな。
それでもカラスバに頼まれたことの半分くらいは果たせたはずだ、と思い腰をあげようとしたところで視界が突然遮られた。
あの子の腕がおれの肩に回される。
少女の腕にふわっと包まれて陽だまりの中にいるように感じた。おれがカフェを通して街の人に与えたいと思ったものを突然与えられたそんな気がした──
彼女は言葉をひとつひとつ噛み締めるように、おれに囁く。
「グリさんありがとう。私もポケモン達もすごく幸せな気持ちで眠れると思う」
くらくらして、バトルの余韻と感情のうねりが残された体力を根こそぎ持っていかれる。
カラスバが自信ありげに笑っていたわけが分かった。全てを出し尽くして届かないギリギリになった状態でこの子は更におれを高いところに連れていこうとする。
「あの」と声を絞りだした。真上に来た太陽のせいで彼女の顔もはっきりとは見えないが、清々しく笑っているのだろう。
「おれの方こそありがとう」
何に対する礼なのか、相手がこの子なのかそれともここにはいないカラスバなのかわからなかった。
ただおれはここにいて誰かに必要とされた。
仄か/END
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