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意識の底から這い上がる感覚がして目を開けるとマーブルの空が広がっていた。
けったいなところやな。
どこから吹いてるとも知れないぬるい風がスーツの裾をはためかせた。
数メートル離れたところに昔の自分がいて、向こうもこちらに気付いてやって来た。
カーブパンツ、白いTシャツ、今と違ってサングラスなし。相棒と一緒にジプソから逃げ回っていた頃。
懐かしさが湧き上がるがその前にコイツに言いたいことがある。
「スピルに余計な事言うてオマエは」
「バラされて困るようなことあるんやったらオマエもそれなりに悪いんとちゃうか」
「口の減らん…オレやけど…めんど…」
間違いない、生意気なガキだった頃のオレだ。
「オレなりに組長の仕事ってやつ頑張ったから褒めてはほしいな?」
「あーまあそれは、ご苦労やった」
大きなトラブルも起こさずボスの座を張ってくれた若造を労う。好んで背負い込んだ立場だが、ガキの手に乗せるには重い。
「オマエどうせ現実から逃げてるやろ。やからここでオレと会ってるんちゃう?」
「あー、説教はナシや」
「了解」
「座れや」
空間の主に促される。
自分相手に虚勢はいらん。
手足を投げ出して見るとはなしに空を見上げた。
「何もないなここ」
「ゆっくりできてええやん」
それもそうか、最近やる事が多くてよく眠れてなかったからな。
だからこんなところに来てしまったのだろうな。
「暇なとき煙草とか吸うんか?」
「いや。特には。酒もそないやな」
「何が好きなん?」
「バトルや」
簡潔に答えると若いオレが食いついてきた。
「は?ホンマに?なに、強いんか?」
「教えん。せいぜい努力せえや」
「ケチくさ」
そのまま不貞腐れて、手のひらを開いたり握ったりして見つめている。がんばれやガキ。
「フシデ達にも会っとけばよかったな」
「楽しみに取っとけ」
「オレまだまだ育つんやな」
ガキなりにな。
今は頼りないその体も少しはマシになるし、がんばってたら味方も増える。
「てかさ?自分面食いやんな?オレ面食いに育つんや」
「知らんわオレもそんなん…」
「ポケドル系?意外やったな。可愛いのはええな。また会いたいわ」
「可愛いとか言うなよ……あとスピルと会うなもう、口説くのもあかん。もう見るのもあかんな」
可愛いと言うのならそうなのだろうしポケドル系と言われれば世間的にはそうなのかもしれない。それを分身に指摘され意識するとは思っていなかっため、腹立ち紛れに小突きたくなり、現実の自分にどう影響するか分からないことに思い至り止めた。
「見るのもアカンとかダメダメ尽くしやん」
「駄目に決まっとるやろ!」
「別に口説いとらんし」
「迫ったやろ!ガキのくせに」
語気が荒くなる。素面に戻ったら股を割った状態で立っていた時のことを思い出すと肝が冷える。
「スピルにむちゃくちゃ嫌われても仕方なかったんやぞ。」
「距離が近かったとは思うとる。自然と身体が覚えとった距離や」
「ほなオレのせいやないか〜…」
「可哀想になあ。」
「……うっさ」
どうして自分に慰められないといけないのか。しかも歳の離れた若造に。
「嫌がってたらオレもやめてるて」
「そうであってくれよ」
若いからって許されることではないので、昔の自分もちゃんと止まれたことを褒めるべきなのだろうか。
「本気で嫌なんやったらちゃんと拒否してくれそうなところもええよな。オレ芯のある子が好きなんやろな」
「黙って黙って。これ以上は抱えきれん」
自分でも言葉にしたことのなかった好みを聞かされるのは堪える。
溜息をついてへたり込み、自分との舌戦から逃げた。
「眼鏡触るの癖なんやな」
「オマエが慌てさせるからや。汗かいてもた」
「なあほんまに可愛かったから会いたいねんけど。」
「……あのさあ」
「可愛いよな?もっとちゃんと見とけばよかったわ」
「見るのも禁止や」
「独占欲えっぐ」
「変な目で見るからや!」
「独り占めすんなよ」
「できとらんわ。できとったら悩んどらん」
ちっ。言うつもり無かったのに。
「なんやそれが本音か。カッコつけよってからに」
自分自身にすら知られなくなかった弱音だが、ばれた以上は虚勢を張っても仕方がない。
「オレはワンオブゼムやからな。余裕ないわ」
「そっかまだそんな感じなんか。やっぱオレがひと押ししたろか?」
「やめろ言うてるやん」
誰にも負けるつもりはないから。もし今できることが無いとしても諦めるつもりがない。
静かに決意する様子を見てもうひとりのオレも、ほおー、と関心する。
「気張れきばれ。初めての青春楽しめよ」
「こんなガキに説法して頂くとはな。」
「オレはオレやしオマエやからさ。もう話すことない」
「出てくんなよ」
ずっとオマエのなかにおるし。
そやな。
精々頑張れよ、ガキ。
精々頑張りや、ガキ。
ばーか、そっちがガキや。
虹色の空が溶けていくと2人の姿も薄れてゆく。向こうがべーと舌を出した。
混ざり合うマーブルのなかでオレ達のどちらとも付かない声が響いた。
オマエのほうがガキや。
けったいなところやな。
どこから吹いてるとも知れないぬるい風がスーツの裾をはためかせた。
数メートル離れたところに昔の自分がいて、向こうもこちらに気付いてやって来た。
カーブパンツ、白いTシャツ、今と違ってサングラスなし。相棒と一緒にジプソから逃げ回っていた頃。
懐かしさが湧き上がるがその前にコイツに言いたいことがある。
「スピルに余計な事言うてオマエは」
「バラされて困るようなことあるんやったらオマエもそれなりに悪いんとちゃうか」
「口の減らん…オレやけど…めんど…」
間違いない、生意気なガキだった頃のオレだ。
「オレなりに組長の仕事ってやつ頑張ったから褒めてはほしいな?」
「あーまあそれは、ご苦労やった」
大きなトラブルも起こさずボスの座を張ってくれた若造を労う。好んで背負い込んだ立場だが、ガキの手に乗せるには重い。
「オマエどうせ現実から逃げてるやろ。やからここでオレと会ってるんちゃう?」
「あー、説教はナシや」
「了解」
「座れや」
空間の主に促される。
自分相手に虚勢はいらん。
手足を投げ出して見るとはなしに空を見上げた。
「何もないなここ」
「ゆっくりできてええやん」
それもそうか、最近やる事が多くてよく眠れてなかったからな。
だからこんなところに来てしまったのだろうな。
「暇なとき煙草とか吸うんか?」
「いや。特には。酒もそないやな」
「何が好きなん?」
「バトルや」
簡潔に答えると若いオレが食いついてきた。
「は?ホンマに?なに、強いんか?」
「教えん。せいぜい努力せえや」
「ケチくさ」
そのまま不貞腐れて、手のひらを開いたり握ったりして見つめている。がんばれやガキ。
「フシデ達にも会っとけばよかったな」
「楽しみに取っとけ」
「オレまだまだ育つんやな」
ガキなりにな。
今は頼りないその体も少しはマシになるし、がんばってたら味方も増える。
「てかさ?自分面食いやんな?オレ面食いに育つんや」
「知らんわオレもそんなん…」
「ポケドル系?意外やったな。可愛いのはええな。また会いたいわ」
「可愛いとか言うなよ……あとスピルと会うなもう、口説くのもあかん。もう見るのもあかんな」
可愛いと言うのならそうなのだろうしポケドル系と言われれば世間的にはそうなのかもしれない。それを分身に指摘され意識するとは思っていなかっため、腹立ち紛れに小突きたくなり、現実の自分にどう影響するか分からないことに思い至り止めた。
「見るのもアカンとかダメダメ尽くしやん」
「駄目に決まっとるやろ!」
「別に口説いとらんし」
「迫ったやろ!ガキのくせに」
語気が荒くなる。素面に戻ったら股を割った状態で立っていた時のことを思い出すと肝が冷える。
「スピルにむちゃくちゃ嫌われても仕方なかったんやぞ。」
「距離が近かったとは思うとる。自然と身体が覚えとった距離や」
「ほなオレのせいやないか〜…」
「可哀想になあ。」
「……うっさ」
どうして自分に慰められないといけないのか。しかも歳の離れた若造に。
「嫌がってたらオレもやめてるて」
「そうであってくれよ」
若いからって許されることではないので、昔の自分もちゃんと止まれたことを褒めるべきなのだろうか。
「本気で嫌なんやったらちゃんと拒否してくれそうなところもええよな。オレ芯のある子が好きなんやろな」
「黙って黙って。これ以上は抱えきれん」
自分でも言葉にしたことのなかった好みを聞かされるのは堪える。
溜息をついてへたり込み、自分との舌戦から逃げた。
「眼鏡触るの癖なんやな」
「オマエが慌てさせるからや。汗かいてもた」
「なあほんまに可愛かったから会いたいねんけど。」
「……あのさあ」
「可愛いよな?もっとちゃんと見とけばよかったわ」
「見るのも禁止や」
「独占欲えっぐ」
「変な目で見るからや!」
「独り占めすんなよ」
「できとらんわ。できとったら悩んどらん」
ちっ。言うつもり無かったのに。
「なんやそれが本音か。カッコつけよってからに」
自分自身にすら知られなくなかった弱音だが、ばれた以上は虚勢を張っても仕方がない。
「オレはワンオブゼムやからな。余裕ないわ」
「そっかまだそんな感じなんか。やっぱオレがひと押ししたろか?」
「やめろ言うてるやん」
誰にも負けるつもりはないから。もし今できることが無いとしても諦めるつもりがない。
静かに決意する様子を見てもうひとりのオレも、ほおー、と関心する。
「気張れきばれ。初めての青春楽しめよ」
「こんなガキに説法して頂くとはな。」
「オレはオレやしオマエやからさ。もう話すことない」
「出てくんなよ」
ずっとオマエのなかにおるし。
そやな。
精々頑張れよ、ガキ。
精々頑張りや、ガキ。
ばーか、そっちがガキや。
虹色の空が溶けていくと2人の姿も薄れてゆく。向こうがべーと舌を出した。
混ざり合うマーブルのなかでオレ達のどちらとも付かない声が響いた。
オマエのほうがガキや。
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