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「ジプソさんと……カラスバさん……だよな?」
MZ団の面々が困惑するのも無理はない。ジプソの隣に立つのは泣く子も黙るサビ組のボス…カラスバ。のはずなのだが違う人のような印象を与えていた。
毒を纏ったスーツの代わりにカーゴパンツと綿のシャツ。鋭い目つきや剃り込みが特徴的な髪はいつもの通りだが、威圧感を与える真っ直ぐな姿勢ではなく全体的に不貞腐れたような雰囲気を醸している。
端的に言えばガラが悪い。
「ホテルZやMZ団のみなさまを見たら或いは、と思いましたが……ダメでしたね」
MZ団を前に、彼の右腕は溜息を吐き出した。
ジプソの説明してくれたことによると事務所の近くに出現した歪みがカラスバの記憶が消えてしまったとのこと。
「およそ5年前のカラスバさまです」
「異次元のせいか?」
「なんかこれはコレで怖いですね…」
「アンシャちゃん居なくてよかったよー」
「アレ?なんかオレ嫌われてへん?お友達ちゃうんかいジプソ」
「いえいえいえ!うちとサビ組はお仕事とかしてるけど……」
サビ組のことを恐れているデウロが真っ先に否定する。
「オレのことしつこく追いかけ回してたコイツのところにおるし。しかもオレのことボスとか呼んでて」
「カラスバさんはサビ組のボスですよ」
そう告げるガイに続いてこくこくと頷くMZ団の面々。カラスバは胡散臭そうにガイの言葉を聞いていた。
「オレを捕まえる為の変な芝居かと思ったんやけど…芝居にしてはあまりに真剣みがあるし」
「おまえらも関係者なん?オレと仲良くしそうには思えんけど…」
1人1人睨めあげていくカラスバの視線がひとりの前で止まった。
「こちらのかたは」
と言いかけたジプソのことを手で制止する。考え込むように目を凝らして、不躾なほど顔を覗き込んでいる。
岩のように固まったカラスバから少し距離を取ってガイはピュールとデウロに小声で囁いた。
「カラスバの記憶……無いんだよな?」
「じーっと目で追ってますね……」
「あー根っこはカラスバだあ。」
ほかの3人には目もくれず1人だけを見つめて動かないカラスバの様子に、デウロも思わず声を漏らす。
「何しても逃げられないじゃん……」
記憶が薄れていても意識の中にちゃんとカラスバがいる。3人ともそれが分かってしまった。
「記憶が消えてるはずなのにすごいですね…」
「オレのこと覚えてたりするかな…このまま忘れててほしいな…」
好き勝手なことを言いあっているMZ団のところへ、心なしかいつもより疲れた面持ちのジプソがやって来る。
「カラスバさまもこの状態では組のことで手一杯で。MZ団のみなさまに歪みの対処をお願いしたいのです」
「ん、そういう事なら!」
ガイが任せろとばかりに答えた。
ホテルを去っていく間際までカラスバの目はじっと1人の姿を捉えていた。蛇が獲物を狙う時のような目付きとはああいうものなのだろうな、とピュールは空恐ろしく思った。ボクがあんな風に執着される対象でなくてよかった……
執着の対象になっている彼女はと言うと、飛び込んできた変異の解決へ燃えていた。気にしない、か…
2人でホテルを後にしたところでカラスバが尋ねる。
「あー…ジプソ」
「はい、ボス」
「いやオレ、ボスちゃうけど……まあええわ。おまえがオレをここに連れてきた理由分かったかもしれへん」
「はい」
「もしかしてなんやけど……あいつがオレの大事な人なん?」
隠し立てしても仕方ないのでジプソはありのままを伝える。
「ボスの振る舞いから察するに恐らくそうだと思われます」
「ほお〜ん……向こうはどうなん?」
「お二人は日頃から仲良くしておられました」
「なんや含みのある言い方やな。大丈夫なんかあ?」
「ボスは変わらず頼り甲斐ありますから!」
「やったらええねん。すまんなあ、オレがこんなんで不便やろ?」
「こんな時の為のわたくしですから」
「なんやよう分からんけど頼んだわ」
「まあ何とかなりそうな気がするわ。オレのことも。あいつが何とかしてくれるような気がする」
そう言うとカラスバはふっと力を抜いた笑顔を見せた。
ジプソの顔からも険が引いていった。わたくしどもを引っ張っていくためずっと一人で踏ん張っておられたボスに、思いがけず頼れる味方ができたこと…自分の不甲斐無さを悔しく思う気持ちが無いと言えばうそになりますが…嬉しく思う気持ちのほうがずっと大きいのです。
「信じられへんわ。けどまあそういう事もあるんかな。ほんまおもろいなあ」
「ボスはよくそう仰っていましたよ」
落日。二人は昼から夜に変わりゆくミアレを背にする。変化とは時として最良のものだったりする。
End
MZ団の面々が困惑するのも無理はない。ジプソの隣に立つのは泣く子も黙るサビ組のボス…カラスバ。のはずなのだが違う人のような印象を与えていた。
毒を纏ったスーツの代わりにカーゴパンツと綿のシャツ。鋭い目つきや剃り込みが特徴的な髪はいつもの通りだが、威圧感を与える真っ直ぐな姿勢ではなく全体的に不貞腐れたような雰囲気を醸している。
端的に言えばガラが悪い。
「ホテルZやMZ団のみなさまを見たら或いは、と思いましたが……ダメでしたね」
MZ団を前に、彼の右腕は溜息を吐き出した。
ジプソの説明してくれたことによると事務所の近くに出現した歪みがカラスバの記憶が消えてしまったとのこと。
「およそ5年前のカラスバさまです」
「異次元のせいか?」
「なんかこれはコレで怖いですね…」
「アンシャちゃん居なくてよかったよー」
「アレ?なんかオレ嫌われてへん?お友達ちゃうんかいジプソ」
「いえいえいえ!うちとサビ組はお仕事とかしてるけど……」
サビ組のことを恐れているデウロが真っ先に否定する。
「オレのことしつこく追いかけ回してたコイツのところにおるし。しかもオレのことボスとか呼んでて」
「カラスバさんはサビ組のボスですよ」
そう告げるガイに続いてこくこくと頷くMZ団の面々。カラスバは胡散臭そうにガイの言葉を聞いていた。
「オレを捕まえる為の変な芝居かと思ったんやけど…芝居にしてはあまりに真剣みがあるし」
「おまえらも関係者なん?オレと仲良くしそうには思えんけど…」
1人1人睨めあげていくカラスバの視線がひとりの前で止まった。
「こちらのかたは」
と言いかけたジプソのことを手で制止する。考え込むように目を凝らして、不躾なほど顔を覗き込んでいる。
岩のように固まったカラスバから少し距離を取ってガイはピュールとデウロに小声で囁いた。
「カラスバの記憶……無いんだよな?」
「じーっと目で追ってますね……」
「あー根っこはカラスバだあ。」
ほかの3人には目もくれず1人だけを見つめて動かないカラスバの様子に、デウロも思わず声を漏らす。
「何しても逃げられないじゃん……」
記憶が薄れていても意識の中にちゃんとカラスバがいる。3人ともそれが分かってしまった。
「記憶が消えてるはずなのにすごいですね…」
「オレのこと覚えてたりするかな…このまま忘れててほしいな…」
好き勝手なことを言いあっているMZ団のところへ、心なしかいつもより疲れた面持ちのジプソがやって来る。
「カラスバさまもこの状態では組のことで手一杯で。MZ団のみなさまに歪みの対処をお願いしたいのです」
「ん、そういう事なら!」
ガイが任せろとばかりに答えた。
ホテルを去っていく間際までカラスバの目はじっと1人の姿を捉えていた。蛇が獲物を狙う時のような目付きとはああいうものなのだろうな、とピュールは空恐ろしく思った。ボクがあんな風に執着される対象でなくてよかった……
執着の対象になっている彼女はと言うと、飛び込んできた変異の解決へ燃えていた。気にしない、か…
2人でホテルを後にしたところでカラスバが尋ねる。
「あー…ジプソ」
「はい、ボス」
「いやオレ、ボスちゃうけど……まあええわ。おまえがオレをここに連れてきた理由分かったかもしれへん」
「はい」
「もしかしてなんやけど……あいつがオレの大事な人なん?」
隠し立てしても仕方ないのでジプソはありのままを伝える。
「ボスの振る舞いから察するに恐らくそうだと思われます」
「ほお〜ん……向こうはどうなん?」
「お二人は日頃から仲良くしておられました」
「なんや含みのある言い方やな。大丈夫なんかあ?」
「ボスは変わらず頼り甲斐ありますから!」
「やったらええねん。すまんなあ、オレがこんなんで不便やろ?」
「こんな時の為のわたくしですから」
「なんやよう分からんけど頼んだわ」
「まあ何とかなりそうな気がするわ。オレのことも。あいつが何とかしてくれるような気がする」
そう言うとカラスバはふっと力を抜いた笑顔を見せた。
ジプソの顔からも険が引いていった。わたくしどもを引っ張っていくためずっと一人で踏ん張っておられたボスに、思いがけず頼れる味方ができたこと…自分の不甲斐無さを悔しく思う気持ちが無いと言えばうそになりますが…嬉しく思う気持ちのほうがずっと大きいのです。
「信じられへんわ。けどまあそういう事もあるんかな。ほんまおもろいなあ」
「ボスはよくそう仰っていましたよ」
落日。二人は昼から夜に変わりゆくミアレを背にする。変化とは時として最良のものだったりする。
End
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