…どうしてこうなった。
あの悪夢？から電子音で起こされたばかりの僕は起き上がった際隣に違和感を感じ、布団を捲ってみたら…何故か見知らぬ男性が隣で寝ていた。
しかも相当熟睡していらっしゃる様で、ちょっとやそっとじゃ起きなさそうである。

しかし、何故いるのかは全く謎。
第一異性との交友関係が兄や親族などしかいない僕に異性を部屋に連れ込む動機は無いし、そもそも昨日の夜この男性を呼んだ覚えもない。
兄さんが連れて来たのか…？と思うも、僕らの周りに髪を向かって左に流してて鎧を着た知り合いはいないし…

こんな事をぐるぐる考えてふと時計を見ると―

｢7時45分…｣

まずい。
ただでさえ学校は8時15分までには登校しないといけない上、家から学校まではおよそ30分はかかる。
今から準備して出発してもギリギリ間に合うか間に合わないくらいか、だ。

呑気に寝ている男の事など無視して制服に着替え髪を結い、鞄を持つ。

｢起きてるかわからないそこの人！
とりあえず僕が学校から帰ってくるまで部屋から1歩も出るなよ！｣

起きてるかわからない男に向けてそう叫び、部屋を飛び出して学校まで走った。