刺激される感情
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太極山についてすぐの仕事が奏多を運ぶことだった。美朱と鬼宿は娘娘がやっている。
腕を回し入れ奏多を抱き上げた。ただ眠る君はすぐにオイラにもたれ掛かってきた。
「…………」
なぜ今、鼓動が早まった?
………意味がわからない。
「……んぅ……」
寝台に寝かせると気持ちよさそうに好きに寝返りを打ち、本格的に寝入り始めた。
……これだ。君は能天気なのだ。
青を身にまとった君は……オイラの知る人ではないような気がした。
「井宿!その子も見るね!」
「娘娘」
見ると、娘娘と共に太一君の姿もある。
「井宿、何があったのか見てみるのじゃ」
「はいですのだ」
ここでの生活も3年ともなると、太一君のしようとすることもわかった。
奏多を見ればすでに服を脱がされているところで、サッと顔を背けて太一君に続きこの場を離れた。
「良いか」
「お願いしますのだ」
太一君の一声で、一瞬で倶東国での出来事が鏡に映し出された。
………………なんだ、これは。
「ほお、新たな能力も目覚めたか」
……正直そこはどうでもいい。
七星には炎を操るものもいるのだから、大地を操れる者くらいいてもおかしくはない。
オイラが気になったのは……奏多の服が……いつ、どうやって替えられたか、だった。
「太一君……そろそろ目が覚めるかもしれないですのだ。様子を見てきますのだ」
「………いいじゃろ。行くがよい」
だめだ。気分が悪い。
なぜあそこであの者から服を受け取ろうとするのだ?
丸腰で、腕を取られれば奏多の腕力では逃げることは出来ない。
そもそも心宿は触れずとも動きを封じることも出来る奴だ。そんな相手に、なぜあそこまで無防備になれる。
……わからない。理解に苦しむ。
奏多の元へ戻ると、やはり自分の部屋のように眠っていた。
その安眠する顔を見て、眉を潜めた。そう言えば面は心宿に剥がされた。それすらも思うと胸のうちがざわついた。
「ん……」
奏多が身じろぐとともに覚醒した。
ぼぅ、としながらも起き上がる。
オイラからは彼女の背が見えた。長い髪を体に這わせ、君は誰にともなく呟いた。
「別に怪我してなかったのに……」
自分が治してもらったとわかるのか?
いや、それよりも……。
「体中に打ち身を食らったのは怪我に入らないのか?」
思わず口に出すと声にもならないほど驚かれた。
「話を聞きに来た」
途端に顔を俯かせる。喋らない気か?
「奏多」
名を呼べば体を隠しながらようやく口を開いた。
「あの……美朱と鬼宿は……」
「別の部屋で娘娘が治療している。それも知ってるんじゃないのか」
つい、語尾がきつくなった。
自分でもわかる。
今、オイラは無性に腹が立っている。