ふしぎラビリンス8~翼宿の故郷~
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
愛瞳さんに連れてこられたのは……ここは彼女の部屋だろうか。
部屋に入るなり、ゴソゴソと籠の中を漁り始めた。
「あ、あの……?」
「あんた、俊宇とずっとおったん?」
「え?」
「あのコ、山賊の頭、やっとんのやろ?」
あ……きっと今、色んなことを思い浮かべているんだと思った。家族として、純粋に心配してる。
「翼宿……いい男ですよ」
「…………そうなん?あんた、そう思ってくれるん?」
「はい。みんなに頼りにされて、慕われてます」
「そ、そうなん?ちゃんとしとるんならええわ」
そう言うともう一度、籠に目を向ける。
その顔を少し遠慮がちに覗いたら……少し赤くなっていた。
「……なんやの?」
「いいえ~。弟思いだな、と」
「そんなんとちゃうよ!!」
あ、真っ赤になった。
今の顔は翼宿が真っ赤になって怒る顔と同じだ。
「へへっ、いいもの見れました」
「なんやのー、もう。それよりも先に湯汲みしよか!一緒に入ろ?」
「…………え?」
一緒?今、一緒って言った?
「ちょ、あの……愛瞳さん!?」
「ええから、ええから!女同士やん!早う歩いて!!」
「ええ!?」
腕を取られて家の中を引きずられる。
こ、この人と入るの!?嘘だろ……!
現実を突きつけられる……!!
「あ、しもた。手ぬぐい、あっちにあったんやった。すぐそこやから先に入っててー?」
「あ、はいっ」
これはラッキーだ。先にササッと入って上がろう。
愛瞳さんがパタパタと駆け出すと、私も急いで浴室へと逃げ込んだ。
急げ、急げ……!
愛瞳さんが来る前に入ってしまうんだ!
こんなみすぼらしい体を、あんな可愛い人の前に晒すなんて出来ない!!
着ているものをババッと脱いで扉を押した。どうやらここは押し扉らしい。
急ぎすぎて気づかなかった。
脱衣場に……あと2人分の服があったことを。
ちゃぽーーーん・・・・・・・・・・・・
おお、すごい湯気。
「「………は?」」
「あれ、入ってたんだ」
聴き馴染みのある声が同時に同じように聞こえてきたら、いきなり「だっ!」と一声大きな声が聞こえた。
途端に目の前に現れる、先ほど押した扉。
ものすごい勢いで閉まってきたのだとわかった時にはもう手遅れだった。
「へぶっ………!!!」
顔に見事に激突。痛すぎてその場にうずくまる。
その時、愛瞳さんが脱衣場に入ってきた。
「………ん?何しとるん?」
「い、いや……なんかいきなり閉まっ……」
「うん?あんた、脱いだんなら早う入らな風邪引くでぇ」
……入りたくても扉が!!
てか結局、愛瞳さんに見られてるし!!
「そ、それより愛瞳さん」
「んー?」
「翼宿と井宿も、一緒に入ろうって誘ったんですか?」
服を脱ぎ始めた愛瞳さんの手が、ピタリと止まった。
「………なんやて?そないなわけ………ってぇ!!!なんやのこの服!!!」
ババッと服を着直すと私に手拭いをかけて、ズカズカ浴室に歩いていく。
バーーーン!!と勢いよく扉を押し開けた。
そこで見たであろう彼らに……愛瞳さんの肩が震えた。
「なんであんたらが入っとんのーーー!!!!」
あ、一緒じゃなかったのか。