ふしぎラビリンス5~決意~
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「つまり君は朱雀星君によって、この世界に来てしまったと、そういう事なのだ?」
さすが井宿。飲み込みが早い。
「そう。“我が巫者(ふしゃ)”って言われた」
「巫者、か……」
井宿の眉がハの時に下がる。おお、この顔を目の前で見られるとは。
マジマジと顔を見ていたら、翼宿がドンッと机を叩いた。
「なんや“巫者”て。そないなこと聞いとらんで」
「うん、言ってない」
「南央!……お前はここにどんだけおると思てんねん!!」
「……一年半、くらい?」
「せや!!それやのにお前は……お前は……なんで言わへんねん!!朱雀にも会うたことがあるやて!?」
翼宿の怒った顔。
なんだかこれも新鮮な気がする。
「……翼宿?」
「オレには話せんのか……」
「どうしたのだ、翼宿」
あ……これ、わかる。落ち込んでる。
仲間のことをあとで知った時の……“水臭いやないか”って思ってる時の翼宿だ。
「もう、何言ってんだか……」
「なんやと……っ」
翼宿がまた、くわっ!と声をあげようとしたところを、私はパシッと両手で顔を挟んで言えなくした。
呆気に取られた翼宿の驚く顔が目の前にある。
「言っとくけど、翼宿に話せないことなんてないから。翼宿がこの屋敷にいなくてどれだけ不安かわかんないんだろ?」
「……………」
「帰って来た時にどれだけ安心するか、あんたわかってないの?頼りにしまくってんよ。私も、ここにいる皆も」
そこまで言うと手を離した。
ちら、と横に座る井宿に目を向けると、にっこり笑っている。
「翼宿。君は立派な男になったようなのだ」
「なん、やねん……それ」
翼宿がふいっと顔を逸らして前髪で見えなくなる。
でも逆に目の前に現れた耳が……赤くなっている。
「照れてる」
「照れてへん!!」
「言葉と裏腹に、真っ赤なのだー」
「やかましいんじゃ!!」
ああ、そうか。この人といると翼宿はちゃんと“翼宿”の顔になる。
また新たな一面を間近で見れた。
だったら……ちゃんと話すべきだ。
「翼宿」
名を呼べばすぐに見てくれる。
きっと私の変な能力も、あなたなら……。
「また、怒られる話していい?」
あ、すっごい嫌そうな顔。
でも……わかる。翼宿は優しい。
「ええで。何でも聞いたる」
その後、3回のキスでその人の能力を手にすることが出来ることを私は話した。
その場にいた、翼宿、井宿、そして……攻児までも固まった。
話し終わって2秒後。
その場に大きな叫び声が、轟き渡った。
ああ、やっぱり怒らせた。