ふしぎラビリンス4~与えられた力~
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朱雀は勝手なことを勝手に告げて消えていった。
私は朱雀が消えたと同時に目が覚めた。
見渡すとここは私の部屋。
……運ばれたのか。
「……はあ、どうしよ」
正直、ここに来た時は思ったことがある。
よくあるじゃないか。特殊能力を持つなんてこと。
だから私にもあればいいのに、と思った。
なんだよ、写し取るって。いや、なんかそういうことできるのいたような気がする。
他の、七星士に……。
そうだ。玄武の中にいた気がする。
「治癒、とかそう言うのじゃないのか……」
寝台から立ち上がろうと脇に手をつく。
その手に触れたものを見て、私は目を見開いた。
「私の……スマホ」
手にして電源を入れてみる。
「……つかない、か」
ちぇっ。
ついたら私の集めに集めた柳宿の画像を見て癒されようと思ったのに。
「……愛、か」
それならたっぷりだ。長年の思いがここにある。
私はスマホをきつく胸に抱きしめた。
「ん?」
今、扉の向こうに誰かが来た気配がした。
……気配?なんだ、気配って。
そんなの……今までわかりもしなかったのに。
「………だれか、いる」
それでも今、誰かが扉の向こうにいるのがわかる。
研ぎ澄まされた感覚。これも、攻児の優れた能力なのだろうか。
「だれ?」
思い切って声をかけた。
扉の向こうで息を呑むのがわかる。そして声が……聞こえた。
「起きてたのか……」
これは旺牙の声?
慌てて扉を開けると、そこに立つ旺牙がいた。
「ど、どうしたの?」
「……具合、どうだ」
「え?」
あ、昨日……目の前で倒れたことを気にしてたのか。
「……あ、ああ……大丈夫だよ。ごめん、運んでくれたのって旺牙?」
「いや、頭」
「ああ、翼宿………翼宿が!?」
「一番早く駆けつけてたから」
そ、それはまずい!礼を……礼を言わなければ!!
「そ、そっか!じゃあ、ちょっと翼宿のとこ行ってくるから……、うん?」
脇を通ってそのまま通り過ぎようとすると、そうっと手に触れてきた、旺牙の手。
不思議に思って再度立ち止まると、私の手を持ち上げてマジマジと見た。
「もう触っても痛くないのか」
「あ、ああ、うん……平気……」
「………………」
なんっだ、この状況!私はなぜ腕を上げてなきゃならんのだ!?
しかも、そんな見られるとなんか恥ずかしい!
「な、なんだよ!」
「……どうして、俺の剣をこんな腕が受け止められる?」
「…………え゙?」
ダメだ。まだ疑惑を持たれている。
いや、もう理由はわかった。でも、どう言えばいいんだ!?
異世界から来ると、特殊能力っての貰えたりするんだよー。私のはキスを3回するとその人の凄いところをもらえるみたいでー。
…………………。
い、言えねえ!!!
言えないよ!言ったらものすごい顔されるよ!「あんた、バカだな」って、また絶対言われるんだ!!
「わ、私にも潜在的能力が……ある、のかもね……ハハハ……」
く、苦しい!言い訳が苦しいよ!!
「潜在的……そうか」
納得してくれちゃったよ!!
「で、でもさ!あんたの剣、めちゃくちゃ重くて!だから痺れたんだ!!鍛えなきゃだね!」
「それは俺も思っていた」
「でしょ!?」
「副頭と同じなのは意味がわからないが、筋はいいという事だ」
「そうなの?」
「副頭も強い」
へえ!そうだったのか!!そうだよね!攻児だもんね!
あ、じゃあこの力を借りて、私も戦えたりできるようになるのかな。
「よし、飯作る!仕事終わったら、剣の扱い方教えてよ!」
「わかった」
何をどう使っていけばいいのかはわからない。
それでも戦えないよりはマシだ。
でも、人のこれまでの成しえてきたものを、一朝一夕で得るということは、どれだけ大変なことか……。
私はこれから、知ることになる。