ふしぎラビリンス2~居場所は自分で~
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おかしい。
絶対におかしいと思う。大体、こいつは誰だ!?
「……なんだ」
「いえ……どこに向かってるのかな、と思いまして」
「ついてくればわかる」
ああ、もう!無愛想すぎだよ!
こういう奴なのか!?ほんとに誰だよ!!
あの本の中には……出てきてないよね、こんな人……。
まあね、色々な話を読んだからね。
色んな設定ってのも生まれるさ。わかるよ、うん。
でもさ……。
「なんで全然関係ない人と一緒になるかなぁ。こういう時の絡みって大体翼宿でしょうよ」
「…………おい」
「あ、やべ。口に出しちゃった……」
「あんた、頭に惚れてんのか」
「違うわい!!」
「絡みたい、と」
「や、そういう意味で言ったんじゃないから。ただこう……もっと関わってくるもんじゃないかな、と思って……むしろちょっと期待してたり、とか……」
「何ぶつぶつ言ってんだ……?」
「何でもないよ!気にすんな!」
気を抜くと、さっさと歩いて置いていかれる。
歩幅の差が憎らしい。
「ねえ、それよりもさ」
旺牙の隣に小走りで追いつくと、見上げながら興味本位で聞いた。
「なんで翼宿達に口調、合わせてんの?」
「……………」
「あんたさ、今話してる方が素なんじゃない?」
「だったらなんだ。ここに入った以上、ここの言葉を使うのは当たり前だ」
「ふむ。なるほど。ほんなら、うちも使おうかあ?」
「……………下手くそ」
「んなっ!!なんだとお!?」
そうこう話しているうちについたらしい。
「………なに?ここ」
「炊事場。調理場、厨房、飯を作るところ、台所……」
「ああ、もういい。わかったから」
「今日からあんたの持ち場だ」
「ここが!?てかいつもここで作ってんの!?」
「そうだ」
「汚っ!!不衛生極まりない!ここで作ったもの、翼宿に食べさせてるんじゃないよね!?」
「……………」
食べさせとんのかい!!
「ダメ!絶対ダメ!!くっそー……これだから男は……」
「……ほんとに綺麗好きなのか?」
「言ったね?見てろよ。今日はめちゃくちゃ美味いもん、食べさせてやるよ」
ニッと笑うと、旺牙の口角が少しだけ上がったような気がした。
「その言葉、忘れないからな」
「どうぞ。……ん?あそこの部屋、なに?」
この部屋の奥に、扉がある。
「ああ、酒蔵だ。酒がたんまりある」
「げ。まじか……」
「どうした?」
「酒はどうにも弱くってさ。酒の匂い嗅いだだけでも酔うんだよなー」
「………嘘だろ」
「いや、ほんと。あの扉は開けちゃダメだな。よし、憶えた」
「………あんた、それでよくこの屋敷に住むっていったな。ここの者は皆、酒好きだ」
「……まあそうだろうね。背に腹は変えられんってことよ。ここにいたら慣れるかな?お酒の匂い」
「飲めるようになるんじゃないか?」
「うわ。飲むなんて未知な世界だ」
「……………」
想像出来ない。
どんな味なんだろう。
「酒のこと、頭には伝えておく。貯蔵庫はあっち。適当に50人分くらい作ればいいから」
「はいはい、50人分ね。………50人!?」
「俺らは適当でいい。でも頭と副頭には別だ。ちゃんと作れ」
「は、はいよ……」
やば。
安請け合いだったかな。
50人……か。
そんなん作ったことあるわけないじゃん。
こ、これは間に合うかなぁ?