ふしぎロマンス7~黄龍の依り代~
夢小説設定
この小説の夢小説設定ふしぎ遊戯の原作に沿って進むお話。
オリジナル要素も多いです。
七星士よりも上の大人ヒロイン。
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「ったく、なんなの……」
心宿が部屋を去ってから、いそいそとそこに落ちていた心宿が持ってきた服に着替える。
上質な布だとわかる着心地だった。
不思議なことが起こった。
美朱の元へ行こうと走り回っていると、兵にかち合う時があった。
捕まる……!と思っていると、なんと、その兵は脇に退き、姿勢よく私に頭を下げた。
……どうして?
また前方に槍を持った兵が来た。
慌てて隠れる場所を探すもどこにも見当たらない。
やばい、やばい。
でもまたしても、兵は横にずれる。
うーん……?これって……。
「あの」
「はっ、将軍」
将軍ー!?私が!?
いや、どう考えても将軍には見えないと思うけれど……でも、確かに兵は顔を見ることなく、脇に避ける。
先程までと違うところといえば……服?
ここには女性の将軍でもいるのだろうか。
間違われているのならラッキーだ。
声が震えないように、大きめな声を出した。
「青龍の巫女様はどこ?」
「はっ、巫女様でしたら青龍廟にいらっしゃいます」
簡単に口を割ってくれた。
でも、青龍廟はどこにあるのだろう。
この人に聞きたいけれど将軍が知らないなんて、それこそおかしい。
探し回るしかないかと思っていた矢先、空が黄色に光った。
なぜ、と言われたら答えられない。
でもあれは……“黄龍の力”を使っているとわかった。
光った所に向けて走る。
近づくにつれ、そこに“黄龍”がいる、と確信した。
「鬼宿!井宿!!」
扉に体当たりしている鬼宿が目に入った。
名を呼ぶと2人ともこちらを勢いよく見た。
「奏多!?お前、隠れてろって……!」
「そんな事言ってられない!美朱が危ないのよ!朱雀の者は入れないんでしょ!?」
でも、この中に透がいるのはわかる。
それなら……
「私はきっと中に入れる。鬼宿、退いて」
「だ、だけど、お前が……!」
「井宿、あなたなら……こんな“結界”、破れるんじゃない?」
「………やってみるのだ」
井宿と目が合い、私はその言葉に僅かに口元を緩めた。
扉に触れると、それはいとも簡単に私を受け入れた。
これには3人が言葉を失った。
入れるのは嬉しいけれど……朱雀の者ではない、お前は朱雀の仲間ではない。
そう言われているような気がした。
少しだけ空いた隙間から、私はスルリと入り込んだ。
入ってすぐに目にした光景に……
私は絶句した。