ふしぎロマンス6~再開~
夢小説設定
この小説の夢小説設定ふしぎ遊戯の原作に沿って進むお話。
オリジナル要素も多いです。
七星士よりも上の大人ヒロイン。
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ゴソゴソ…………
はぅ……あったかい……。
無事、成功した!
起きたらどうしようかと思ったけれど、井宿はまだ寝入っている。
私は無事に……井宿の隣をゲットした。
あったかぁ~い。
最初からこうすればよかった。これで寝れる。
1つあくびをすると、もう一度井宿を見る。
近くなった顔をじっと見て、寝ているかを確認した。
井宿がこんな寝てるのも不思議だけど……。でもいっか!あったかいし。
井宿もよく寝れているならよかった。
どうせなら……素顔の寝顔が見てみたいけれど。
そっと面の頬に手を近づける。
……勝手に見たら、ダメだよね。
すぐにその手を引っ込め、袈裟に包まりながら私は眠りについた。
……そこで目を開ける井宿には気づかずに。
「奏多、起きるのだ」
「ん……」
「美朱ちゃんも起きたようなのだ」
目を開けると、井宿が家の様子を見て振り返っていた。
体を見れば、思いっきり袈裟と外套が自分だけに覆いかぶさっている。
「あ、あははは」
やばい。
起きた時の言い訳を考えてなかった。
むしろなぜ井宿より先に起きなかったのか。しくじった。
「奏多」
「ハイ」
「君はただ暖を取りたかっただけだとオイラはわかるのだ」
「あ、ハイ。スミマセン」
「寝ている所に入ってくるなど……オイラは良いが、これを鬼宿にしていてはさすがに酷なのだ。覚えておくといい」
「……ハイ、気をつけます」
淡々と諭してくる言い方が余計に怖い。
しかも、いつもの可愛いしゃべり方も半分消えてる。
井宿……やっぱ迷惑だったかな……。
人が自分の領地に入ってくることが好きじゃないのはわかっていた。
気をつけないと。井宿が嫌がることはしちゃいけない。
「いいな、美朱ちゃん。馬車移動……」
美朱を追って、私と井宿は影からこっそり歩いていた。
目の前で馬車に乗せてもらって、うたた寝をし始めた美朱が羨ましくてしょうがない。
やっとのことで倶東国との国境に近づいた。
美朱は馬車から降りると、関所に向かって歩き出した。
「ついたのだ。ここからは様子を見るのだ」
井宿が物陰に私を押し込む。
ここで私が動いたら、また無鉄砲だと言われるだろうか。
美朱は関所の兵に“青龍の巫女”と間違われていた。
でもすぐに証拠を出せと問われている。
「さすがにこれ以上はまずいのだ」
ピッと井宿が素早く印を結び、兵の動きを止める。
井宿と美朱を交互に見ていると、美朱のそばに近づく馬に乗った人。
兜をかぶっていても、誰かわかる。
心宿だ……。
うーわー!!
ここからでもわかる、威圧感!
関わりたくない!本当に関わり合いたくない!!
反射的に逃げ出したくなる。
でもせっかく井宿が動かなくしていた兵にかけてある術をいとも簡単に心宿が解いてしまって、井宿も不用意に動けないと警戒し始めた。
「この娘はなんだ?」
「はっ、それが“青龍の巫女”と申す者で……」
そこで心宿の後ろからもう1人、スッと近づいて心宿に小さく声をかける。
その人を自然に目で追うと、私の目はその人に釘付けになった。