ふしぎロマンス4~狂う歯車~
夢小説設定
この小説の夢小説設定ふしぎ遊戯の原作に沿って進むお話。
オリジナル要素も多いです。
七星士よりも上の大人ヒロイン。
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「話はわかったから……と言っても、あなたへの返事、今した方がいい?」
「…………」
「今するとなると、確実に前にあなたが美朱ちゃんに言った台詞になるけど」
ーーー悪いな。お前にそんな感情ねェから。
ーーーお前が“朱雀の巫女”だから護ってるだけだ。
「いや、やっぱまた今度でいーや!」
「そう?それじゃあ、寝ていい?」
「お、おぉ」
鬼宿は私のベッドから降りて、自分のベッドへ移動した。
そっと布団の中に潜り込む。
今日のこれが夢だったらどれだけいいか。
目を閉じると、不思議なことにスゥ…とすぐに眠りについた。
寝息が聞こえてきたのを確認すると、鬼宿はベッドからそろりと抜け出した。
すぐ近くにある奏多のベッドまで音もなく進む。
「…………」
そっと顔をのぞき込み見る。
奏多は寝入っているようだ。
「寝込みを襲うつもりか。見損なったのだ」
ふいに聞こえてきた声に鬼宿はビクリと体が跳ねた。
「なっ……誰かいるのか?」
あたりを見回しても人の姿はない。
それなのに……声は続く。
「君にはガッカリなのだ」
「だから誰だよ!どこにいる!?」
「大きな声を出さないで欲しいのだ。奏多が起きてしまうのだ」
その言葉に鬼宿はぐっと声を小さくする。
「奏多の名前、知ってるってことはお前か。面倒見てたっていう七星士は」
「そうなのだ」
変なしゃべり方をするヤツ。
鬼宿はどこにいるんだ、とあたりを警戒しながらきょろきょろ見る。
「そっちじゃない。見当違いも甚だしいのだ」
言われてカッと熱くなる。
気配がどこにあるかもわからない事実に嫌になる。
「君が奏多をどう思おうが知ったこっちゃないのだが……」
声は少しだけ低く響く。
「奏多を悩ませるのはやめて欲しいのだ」
「なんでお前に言われなきゃなんねェんだよ」
「……ただでさえ、奏多は思いつめてしまう人なのだ………」
「な……」
戸惑いを隠せない。
今の声は、なんて優しい声なのだろう。
鬼宿は奏多を見た。
「今夜は夢を見るかもしれないのだ」
「夢……?」
「異変に気づいたら起こして欲しい。泣かせないで欲しいのだ」
その言葉を最後に、声は聞こえなくなった。
鬼宿はほぅ……と息を吐き体の力を抜いた。ベッドの脇の床に座り込む。
何だったんだ……今の。
威圧感が半端なかった。
あれが、同じ七星士なのか。一体、どんな男か。
奏多を見れば、穏やかに寝ている。
あの男は夢を見ると言った。
それに……泣かせないで欲しい、か……。
夢を見て、頻繁に泣くということなのか。
鬼宿は奏多の頬にかかっている髪に触れ、横に流した。