ふしぎロマンス4~狂う歯車~
夢小説設定
この小説の夢小説設定ふしぎ遊戯の原作に沿って進むお話。
オリジナル要素も多いです。
七星士よりも上の大人ヒロイン。
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「好きなのは……お前だ。奏多。お前が、好きだ」
言葉がつなげられなかった。
どうしたら……こんなことになるのだろう。
目線をさ迷わせると、鬼宿の顔が近づいてくる。
いけない!これはまずい状況だ!
「鬼宿!?ちょ、ちょっと待とうか!ね、ちょっと止まろう!」
「…………」
目が怖いー!!!本気すぎる……!
「……ねぇ!わ、わからないんだけど!」
「何が?」
「私のどこに……いつ好きになるところがあった?」
「んなの……オレもわかんねェ」
はぃー!?
鬼宿はやっと私から退くと、ベッドの上で胡座をかいて両手を足首に置いた。
……その座り方はかわいいな。
って、そんなこと思ってる場合じゃない!
まだ少年っぽさが残る表情で、鬼宿は静かに話し始めた。
「お前と会った時……オレ、確かにあの時は美朱が気になってた」
そうだよね!それでいいのに!
なんでそこから変わる!?
「オレな……家族のために生きてきたんだ」
「…………」
知ってる。
鬼宿がどれだけ家族を大切に思ってるか。
「みんなが幸せになるまで、自分の望みなんて捨てる気だった」
「…………」
「……だから女なんて、目に入れる気もなかったんだ」
これも、知ってる。
だからあの時、美朱を突き放す鬼宿に一言言いたかった。
「女なんてまだ先でいいと思ってた。なのに……」
目が、また合う。
手がそっと伸びてきて、私の頬を一撫でしていく。
「っ……」
「あの時、言われてからずっと頭に残ってたんだ。そのあと、町で会った時も本気でどうやって探そうかと思ってる時に会えて、嬉しかった」
「……あー、あの時ね」
「お前、金取りに行ってる間に逃げるんだもんな」
鬼宿の性格、覚えてたから。
どんなことを考える人なのか、わかってるつもりだった。
でもわかっていたのは……美朱ちゃんを好きな鬼宿の性格。……この鬼宿は何を考えてるのか、わからない。
「奏多が宮殿に来てから、寂しいのもなくなったんだ。でもお前、ちっともオレを見ようともしねェ」
「え、そうだった……?」
「やっとわかった。お前、オレが美朱を好きだと思ってたのか」
…………思ってますよ!?
今でも全然思ってますけど!?
じゃあ……私がいたから、鬼宿は……。
美朱のいない3ヶ月。
いなくて放心状態になるはずのところに私がポンッと入り込んで……逆に好感度をあげてしまった、と?
完全に横取り……。
あぁ……。
美朱は鬼宿に会いたくて戻ってくるのに……。
唯も今、苦しんでいるというのに……。
美朱と唯の好きな人が、私を好き?
まずい。これは非常にまずいことになってしまった。