ふしぎロマンス3~再生の力~
夢小説設定
この小説の夢小説設定ふしぎ遊戯の原作に沿って進むお話。
オリジナル要素も多いです。
七星士よりも上の大人ヒロイン。
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「あの……」
「ん?なんだ、お前は」
「奏多と言います。これをご覧になって頂けましたらわかってもらえるかと思うのですが」
「貸してみろ」
私は昼過ぎに宮殿につき、門兵に呼び出しのことが書かれてある書状を渡した。
サッと目を通すと、2人いたうちの1人が中へと消えていく。
しばらくすると、女性を1人つれてきた。
「この女官について行かれよ」
「あ、はい。ありがとうございます」
少しだけさっきと態度が違う気がする。横を通り過ぎる時なんて、頭を下げている。
女性について行くと、部屋の前についた。
扉が開き、続いて中に入る。
てっきり応接間みたいなテーブルと椅子くらいがある部屋に通されるのかと思っていた。
なのに、目の前には完全に部屋。もう誰か住むことができそうな部屋だ。
「あの……」
「しばらくこちらのお部屋でお待ち下さい」
「あ、はい……」
にこ、と綺麗な笑みを浮かべる仕草に、ついつられて笑う。
はっ……聞きそびれちゃった。
ここは誰の部屋なのか、とか、皇帝陛下には話が通ってるのか、とか。いつ会えるのか、とか。
井宿と住んでいた家とは比べ物にならない部屋の広さに、呆然と立ちすくむ。
しばらくして、ようやく近くのテーブルに荷物を置いた。
「ど、どうしたらいいのかしら」
意味もなく行ったり来たりを繰り返し、最終的に誰のものかわからないけれど、ベッドに少しだけお尻を乗せて腰かけた。
「奏多………奏多」
「ん~……」
誰か呼んでる。
でも、ごめん。私、眠いの。
ずっと歩きっぱなしで……何より久しぶりのふわふわな寝心地が気持ちよくて。
「奏多……おい、起きろって」
「んー」
ハイハイ、しつこいわね。
起きるわよ。
夢から覚醒する時にも文句を思いながら目を開けた。
スッと目に入る鬼宿の顔。
「……私、美朱ちゃんじゃないわよー…………」
「…………」
寝ぼけている時は何故にこうも変なことを言うのだろう。言った後で、頭がハッキリしてくる。
「鬼宿!?」
「やっと起きたな」
バッと起きてはベッドの隅までバタバタと下がった。
な、なんだ?この状況!
「ここ、鬼宿の部屋!?」
「まさか。ここはお前の部屋」
「私の部屋!?はっ!?」
私の部屋だったのか!
それならもっと寛ぐんだった!
って、いやいや、違う!!
「じゃ、なんで私の部屋にいるの!?」
「お前が宮殿に来たって聞いたから」
「だからって今、寝てた!私、寝てた!普通、入ってくる!?」
「なんだよー……別に何もしてねェだろ」
「してたらぶん殴ってるわよ……」
「………おっかねェな…………」
たじろぐ鬼宿を見て、ふと思い出す。
そういえばここに来た理由……。
「あんた……よくも私との約束を破ったわね………」
「あはははははは………!」
「笑ってごまかさないで!」
「だってしょーがねェだろ!!」
「しょうがない!?開き直るな!」
思わず鬼宿にくってかかろうとする。
約束を破られていい気はしない。
「その辺で怒りを鎮めてくれぬか?」
「鎮められるわけが!………はい?」
目の前で苦しそうにしている鬼宿の声じゃない。
声のした方に目を向ける。
「ほ、星宿……!!」
「!……やはりわかるのか」
……あ。
学習能力ゼロな私………。
あまりのバカさ加減にガクッと肩を落とす。
鬼宿も解放。
「そなたは我々のことを知っているようだが……」
星宿が近づいてくる。
ベッドの一番端に縮こまっているというのに、まだこれ以上下がれというのか。
「星宿様、私がこの子の体に字が出ないか見て差し上げますわ」
誰だ!変なことを提案してきたやつは!
と、目を向ければヒラヒラの服を綺麗に着飾っている、柳宿の姿。
「柳宿も星宿と同じ男だけどね……」
ボソッと呟いた言葉だった。
でも、その場にいた3人が全員目を見開いた。
「お、おまっ……」
「嘘……この姿で見破られるなんてぇ!」
「そなた……私のことも男だと……何者だ?」
すごい形相で見られてる。
それもそうか。
普通、名前を当てられたり秘密を知られていたりしたらこう反応するだろう。
井宿に話した時も驚いてはいたけれど、物静かだったから大したことないのか、と思っていた。
でも、違うようだ。