ふしぎロマンス24~情の証~
夢小説設定
この小説の夢小説設定ふしぎ遊戯の原作に沿って進むお話。
オリジナル要素も多いです。
七星士よりも上の大人ヒロイン。
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一体今……何が、起こった……?
「開破!」
そう唱えた瞬間、君が俺を見た。
こんな時なのに笑っていた。
その笑顔が……俺を不安にさせた……。
「奏多?」
名を口にした時には、彼女が光だした。
先ほど見た青い光と同じように、今度は黄金の光が空高く飛んでいく。
ハッと目線を元に戻した時には、心宿に体を拘束されていたというのに、そこに君の姿はなかった。
「っ……奏多?………奏多!どこだ!!」
「うそ……さっきまで、いたじゃない……」
「おい、心宿!!あいつ、どこにやったんや!!」
何度叫んだところで、心宿は天を見ているばかりだった。
「井宿、空を見ろ。龍だ」
軫宿の声が後方より聞こえた。
目線だけを上へと向ければ、そこに……青龍の横に……大きく輝く龍が現れていた。
「黄、龍………?」
まさか……。
奏多は巫女ではない。それなのに、黄龍を呼び出したのか?
ーー黄龍が現れる時、その力は何者よりも強く、黄龍がひと鳴きすれば、風となり地を這う。生きるも壊滅するも黄龍が導くもの。
今、不意に思い出された。皇帝陛下、星宿様の仰られた言葉を。
「黄龍が……ひと鳴き……」
呟いた瞬間に、黄龍の鳴き声が轟き渡った。
それは地響きとなり、地面が揺れた。
「な、なんやっ……!」
「すごい風……!」
黄龍が上空でうねる。体からキラキラと眩いものが散りばめられた。
それが鱗だと気がつくと、その鱗が触れたものが全て再生された。
傷ついたものは治り、壊れたものは元に戻った。
「………ん……」
透の背にも鱗が乗った。途端に傷は癒え、ゆっくりと体を起こす。
「何が……っ!?」
現状がわからない透が上空にいる黄龍を見て驚愕した。
「奏多……?まさか……そんな!何てことを……!」
黄龍が動き出し、地を這った。
みるみる近づいてくる。避けることなんてできない。いや、しようとも思わない。
何故だか、黄龍に触れたいとさえ、思った。
黄龍は優しく風を巻き起こしながら、俺達のすぐ上を通って旋回した。
「美朱……!!あんた、その光……!」
「あ……」
突然、美朱の体が紅く光だした。美朱が黄龍を見て、小さく呟いた。
「奏多……さん……?」
「美朱!!召喚の呪文を言うんだ!!」
「透さん……」
「今の君なら……言えるはずだ!」
「……はいっ!」
動きを封じられていない美朱が天を見据える。
「“四宮の天と四方の地”……」
「言わせぬ!」
心宿が動く前に、黄龍がその胴を捻らせた。
途端に巻き起こる風と、無数の土石が心宿を襲う。
「くっ……」
まるで、黄龍が美朱を護っているかのように見えた。
「奏多……君が、護っているのか」
その姿になっても……君は……。
「“深き法と信と善を以って
南方主護の朱雀御身に告げたまわく
我、今是の言を作す”」
美朱の体に、七星の証が刻まれる。
“張”、“井”、“柳”、“軫”ーーと。
「“七宿、天より地に現ずは
御身を渇仰す衆生の為の故。
此において諸々の悪を滅し
其の神力で我等を救護すべし”」
“星”
“翼”
「“唯、願わくは之を聞け”」
“鬼”
「“天より我がもとへ 降り立ち給え”!!」
美朱が天に手を伸ばした瞬間、あたりがカッ!と明るくなった。