ふしぎロマンス22~呼びかける声~
夢小説設定
この小説の夢小説設定ふしぎ遊戯の原作に沿って進むお話。
オリジナル要素も多いです。
七星士よりも上の大人ヒロイン。
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ーー我を呼んだか………?
……やっと出てきた。やっと応えてくれたわね。
ーー我の力は……弱い。弱まり続けている。
私をあの世界に送り込んだのはあなたでしょう?だったらまた送って。
ーー今の我では無理だ……。我は四神を統べるものだが青龍が呼び出された今、巫女と交わった神獣の力は強い。
それじゃあ、なに?統べるものなのに青龍に力負けしてるの?
ーー我にも巫女がいれば……そなたがなってくれるか?
……清らかじゃないし、年食ってるけどいいかしら?
ーー………………。
その沈黙、腹立つわね。
ねえ。本当に戻りたいのよ。せめて……彼らだけでも……。
ーーそなたは“依り代”。その身を、我にくれるか?
それって……どういうこと?
ーー我を受け入れるがいい。さすれば……そなたに与えた我の力と、今、我の持つ力を合わせれば……
いいわ。
ーー決断が早いな。後悔はせぬな?一度限りかも知れぬ
しないわよ。戻れるのなら。
ーーならば唱えるがいい。我を呼び出す言霊(ことだま)を。
「っ……」
意識がスゥ、と戻る。眠っていた訳では無い。
今、直接……黄龍と対話をしていた。
「井宿……軫宿は……?」
「っ……み、軫宿は……」
どうして2人とも暗い顔をしているの?
まただ。また張宿の時と同じじゃない。
「……させない!!」
「「!!!」」
「2人とも、札持って私の手を掴んでいて」
「な、んでや……?」
「いいから!!早く!!」
「翼宿!ここは素直に応じるのだ!」
翼宿が頷いて、2人が私の手を握る。
もう間に合わないなんて……絶対に嫌だ。
受け入れるわ。あなたを。
「開破(カイハ)!!」
ビュワッと風が舞い上がった。それと同時に体が熱くなって、足元から黄金の光が私たちを包み込む。
目の端に風に舞い上がった私の長い髪の先が見えた。それは、黄金になっていた。
「おまっ……!どないなっとるんや!?」
「奏多……!」
「戻るわ。軫宿は、死なせない!!」
黄金の光が眩くなった。目を開けていられず、2人はすぐに目を閉じた。
でも、不思議だ。私は目を開けていられた。
本もまた光り出す。
そしてーー
部屋全体が真っ白になるくらい明るくなると、私たちはもうその部屋にはいなかった。