ふしぎロマンス22~呼びかける声~
夢小説設定
この小説の夢小説設定ふしぎ遊戯の原作に沿って進むお話。
オリジナル要素も多いです。
七星士よりも上の大人ヒロイン。
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「開神!」
透き通った声がその場に響いた。ハッとして立ち上がり見ると、唯のまわりに青い光が現れていた。
「今すぐあたしと美朱、奏多を元の世界に戻して。これ以上、本の世界にいられないようにするのよ!」
足元から青い光が体を包み込んでいく。ああ、とうとう来てしまった。
嫌だと叫んで止められるものなら叫ぼう。でもそれはもう、叶わないことだから……。
私は受け入れるしか……ない。
「……やめえや……ダメや!奏多!!行くな、行くなやっ!!」
「っ……翼宿!?」
ぐっと右腕を掴まれる。
「翼宿!そのまま強く思うのだ!」
驚いていると反対の手を掴まれた。
「井宿っ!?」
「奏多っ、君をもう1人にはしないと言ったのだ!1人で行かせはしない!!」
同時に体を抱きしめられる。もう、驚く間もなかった。一瞬であたりが眩しくなる。
青い光が白くなるほど眩くて……私は目をぎゅっとつぶった。
感覚が戻ってきて、目を開けた。
あたりは真っ暗。この暗闇は夜だ。
「………ここ……」
そこはバス停だった。いつも利用していたバス停。
あの時10年振りに彼と再会したバス停。
そして……あの世界へ入ったバス停。
ふと違和感を覚えて自分の体を見た。今までずっとあちらの服を着ていたというのに、今はブラウスにタイトスカート。ストッキングにパンプス。
あの時のままだった。
「……まさか、夢オチ……じゃないわよね……」
ここで夢を見ていたのだろうか。
いやいや。私はバス停にいるけれど、ベンチには座っていない。
あの時、強風と地震が起きた時のように、地面に座り込んでいる。
寝ていて落っこちた?
……そんなまさか。夢だったのなら彼と会ったのも夢だったの……?
きょろ、とあたりを見回した時だった。
「っ!?」
今、確実になんか見えた。
なんか目の端に入った!!
ベンチを挟んだ向こう側。
あれは……あれは………!
井宿の前髪………!!
バッと回り込んで見ると驚きに声が……震えた。
「ち、井宿……!?た、すき……!?」
ベンチに寄りかかって座り込む、彼らの姿があった。