ふしぎロマンス2~夢と出会い~
夢小説設定
この小説の夢小説設定ふしぎ遊戯の原作に沿って進むお話。
オリジナル要素も多いです。
七星士よりも上の大人ヒロイン。
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美朱が現代に戻った後、私はまだ井宿と一緒にいた。
1つ、大きく変わった。
宿にずっと泊まっていたのだけど、連泊するには出費が激しい、といきなり井宿が家を借りてきた。
これには本当に驚いた。
井宿は流浪の旅人。
一箇所に留まっているイメージがなかった。
実際に家に案内され、本当に住むようになるまで、半信半疑だった。
それと同時に、私の面倒を見ると言ったことで、私は井宿を束縛しているのではないかと不安に思った。
井宿に何度、好きにしてもいいと言っても笑ってごまかされ、「好きにしてるのだ」で終わってしまう。
甘えてて……良いのだろうか。
これではただの厄介者だ。
「井宿……修行、行きたいんじゃないの? 」
「君はそればかりなのだー。そんなにこの家を出て欲しいのだ?」
「そ、そんなことはないけれど……!」
なんなんだ、これは。
新婚夫婦か……!?
初めて男性と同じ家に住みました。
これは……いいんでしょうか。
「最初の宿で同じ部屋にしたのは奏多なのだ。今さら気にするのだ?」
今さらだから気になるんですよ!
……と言いたい。
あの時はお金ももったいないからだし、何より宿と家では何かが違う。
「……井宿がいいなら良いけれど。井宿はマスコットだし」
「は?」
「なんでもなーい。洗濯してくる」
この日もいい天気だった。
籠に溜まった洗濯物を押し洗いする。
この世界の洗濯もやり方でも、だいぶ上手くなってきた。
「オイラのは自分で洗うのだが……」
「井宿こそまたそれー?いいって」
気づくと洗い場に井宿が来ていた。手を動かしながら答える。
確かに最初はいけないものを触ってるかのような気持ちにもなったが……これも慣れである。
と言うか全然今の下着と形状違うし、なんかただの布だし。
「ちょっと、井宿」
「だ?」
「いつまでいるの?私の下着、洗えないじゃない」
「し、失礼しましたのだー!」
井宿はこう言うと必ずその場から離れた。それに干してあるものも絶対に見ない。
こちらは慣れたのに、あちらは全然慣れないようだ。それがまた面白い。
「ねぇ、井宿ー」
「どうしたのだ?」
「お昼まで弓の練習してくるね」
「あぁ。気をつけるのだ」
「はーい」
これも日課となっていた。
弓と矢を持ち、木に向かって放つ。
何本も何本も、同じところを目掛けて。
この木もずいぶん穴があいてしまった。
ごめんね……痛いよね。
でも……力を貸して。
私は弓を扱う腕が上手くならないといけないの。
そっと木に手を添え、額をつける。
ごめんね……。
その時、ここでの生き方にまだ悩んでいた私に新たな希望が与えられたように動いた。
美朱という巫女が元の世界にもどって2週間ほど経った時だった。