ふしぎロマンス18~定まらない感情~
夢小説設定
この小説の夢小説設定ふしぎ遊戯の原作に沿って進むお話。
オリジナル要素も多いです。
七星士よりも上の大人ヒロイン。
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「ほら、食べなさい。あたしも食べるから。美朱、あんたはそこにいるのよ」
「柳宿……」
「わ、わかったよ。……言われなくったって……全部食うよ。美朱の、手料理……だもんな」
「鬼宿……」
美朱の顔色が変わった。とても、嬉しそうだ。
美朱ちゃん、不安……なくなったかな?
そう思う必要などないのに……美朱は鬼宿のことになると一喜一憂する。人は恋をすると、こうなるのだろうか。
結局、美朱の作ったものは鬼宿が全部食べた。
嬉しそうにお皿を洗いに行く美朱。そして、鬼宿は青い顔をして部屋に戻っていった。
「柳宿、憎まれ役になろうとしたでしょ」
「なんのことォ?」
知らんぷりを決め込んでも、柳宿の思いやりがわかった。柳宿がああ言ってくれたから、美朱を傷つけることがなかった。
「大体、あんたまで食べるんだもの。あのままだったら、もう一口食べるところだったでしょ?」
「え……?」
お茶をすすりながら、ポツリと呟いた。
「それに、お腹でも壊せば……あんたが治してくれるかなって」
「柳宿……」
治す……って……。
「なんちゅー、やましい理由やねん」
「……聞いてんじゃないわよ」
「まだオレらおんねん!お前はもちっと周りに気を使わんかい!」
「あら、こう思うのは普通でしょ?」
「……そうまでして、こいつとしたいんか……」
「したいわね」
「あー、さよか……」
………………なに?この会話。
最近の柳宿……こんなの……。
「柳宿……もしかして……」
恐る恐る口を開くと、柳宿がこちらを見て、くすりと笑った。
「なぁに?」
ああ、もう……どうして……そんな顔されたら……恋愛下手でもわかる。
「私のこと、……好き、なの……?」
時間が止まったような気がした。それでも心臓はバクバクと音を成す。自分で言うのも恥ずかしい。
でも、確認してしまいたくなる。
「………あんた……」
「あっ、ごめん……!今のなし!ちょっと、バカなこと聞いた!」
「ちょ、ちょっと待ちなさい!今さらそこからなの!?」
「え?」
首をかしげていると、翼宿が盛大に吹き出した。
「おまっ……散々言うといて、全然伝わってへんやんけ」
「信じらんない!……本気で聞いてンの!?」
「だ、だって……私……、28……なんだもの」
うぅ……言葉に出すと重い真実。嫌でも突きつけられる真実だわ。
「……そんなの知ってるわよ」
「じゃあ、柳宿は!?」
「言わないわよ!言ったって得するとは思えないわっ」
「18やろ」
「翼宿!あんた、恨むわよ!!」
「じゅう……はち……」
やっぱり何の冗談かと思う。そう、思うわよ。普通は。
「……ちゃんと、言ってなかったものね。そりゃあ、伝わるもんも伝わらないわ」
「ぬり……」
柳宿が私の手をそっと握ってくる。その目が真剣で、離せなかった。
「あたし、あんたが好きよ」
「っ……」
「本気で、本当に、心から……奏多が好きよ」
こ、これは夢!?柳宿に告白された!?
夢だわ。夢に違いない!!
「……あんた、何キョロキョロしてンのよ」
「え?い、いや……夢ならそろそろ暗闇が襲ってくるかな、と思って……」
「夢なわけないじゃない。夢なんかにさせないわよ」
………くぁっ……。なんかすごく照れる……っ。
みんなだっているのに、どんな顔してたらいいんだろう。
ああ、本当に……どうしたら……。