ふしぎロマンス14~女誠国~
夢小説設定
この小説の夢小説設定ふしぎ遊戯の原作に沿って進むお話。
オリジナル要素も多いです。
七星士よりも上の大人ヒロイン。
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ピシャァァァァッ!!!
それは息を呑む瞬間だった。雷が美朱の引き抜いた剣に一直線に目掛けて落ちた。
バリバリと嫌な音がこの場所からでもする。
「く……っ」
剣が……紅く光った……。
「………えぇい!!!」
美朱が雷を房宿(ソイ)に向かってはね返した。
「すごい……」
目の当たりにして彼女の凄さがわかった。ちょっとの静電気でも痛いのに、雷を剣で受け止めたのだ。
「美朱ちゃん!体はなんともない?」
「うん!大丈夫だよ」
「あいつ……女やったんか!ようやったで!美朱」
「ちょっと……見て!あれって、北甲国!?」
柳宿が隙間から様子見る。でもこの高さに皆が動揺を見せた時、後ろから声がかけられる。
「もうお前達に逃げ場はない。この島から生きて出られぬのだ!」
槍や剣がこちらに無数に突きつけられている。
あぁ、すっかり忘れていたけれど……そうだ。ここから飛び降りるしかないんだった。
張宿を見ると、河を見て何かを思いついたようだった。
すぐに井宿の袈裟によって武器を構える彼女達の気を逸らされる。その隙に私は咄嗟に翼宿の側に近づいた。
「皆さん!早く下に飛び込んで浅瀬に上ってください!!」
「な、なんやてーっ」
案の定、引き攣る翼宿の腰に腕を回した。
「何すんねんっ!」
「はい、せーのっ!」
「ッッッ!!!」
そのまま崖の下にダイブした。こう言うのは思い切りが大事だ。
ゴボゴボゴボ……と沈みかける翼宿を引き寄せて水面に顔を出す。
「ぷはっ……水、飲んでしもた……」
「翼宿、先に上がって!」
「早く!あそこの位置まで走ってください!!」
張宿が素早く次の指示を出す。水の中なら主導権を握っていた私も、走るとなると今度は翼宿に引っ張られる。
「走れ!あと少しやで!」
「……ハァッ……ハァッ」
正直……しんどいです。こんなにも体を動かしたこと、ありません。
立て続けにびしょ濡れになるなんて誰が想像出来たでしょうか。
少し前の自分に言いたい。もう少し体力をつけておけ、と。
張宿の計算通り、それはすぐに起こった。潮の干満を見たという張宿によって河は逆流して、追いかけていた女の人たちは足止めを食らった。
「つ、疲れた……」
でも、これで前に行ける。
この先は……北甲国だ。