ふしぎロマンス14~女誠国~
夢小説設定
この小説の夢小説設定ふしぎ遊戯の原作に沿って進むお話。
オリジナル要素も多いです。
七星士よりも上の大人ヒロイン。
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「ちょっ……奏多じゃない!」
「なんやねん!いきなり倒れ込んできたで!?」
「痛い……でも、柳宿!翼宿!あぁ、張宿までいる!……でもなんで翼宿、裸?」
体を起こし、どうにか会いたい人に会えたと喜んだのもつかの間、見れば翼宿は完全に変装をといている。
「もういくら言っても脱ぐって聞かないのよー」
「当たり前やんけ!上は息苦しいわ、下はスースーするわ……あんなモン着れるかい!!」
ズイ、と目の前で立ち上がる翼宿にギョッとする。
あ……ダメだ。直視できない。
あまりにも男性の裸体が久しぶりな上に、翼宿は鍛え上げられているのだ。照れないわけがない。
……絶対、いま顔赤い……。
「ほー……へぇ……ふーん」
「あらま、あんたもそんな顔するのねー」
翼宿はニヤニヤしてるし、柳宿は人を小馬鹿にしたような顔をしてる。
「そんな顔って……普通だし!って、それよりも……井宿が!!」
「井宿?そーいや、一緒じゃないのね」
話してようやく、ことの重大さをわかってもらえた。
「えらいこっちゃ!おい張宿!まだ字ぃ出ぇへんのかい!!しっかりせい!」
翼宿がポカっと張宿を叩いた。叩かれたことで張宿の字が浮かび上がった。
「翼宿さん!今の状況は……!?」
目が覚めたかのように頭の回転が良くなる張宿。井宿まで捕まったと知ると、慌て始めた。
「早く助け出してこの国から離れないと!」
「せやな。よっしゃ!行くで!」
「ちょっと待った!翼宿と張宿は美朱たちを起こして逃げて」
「なんやと!?」
「そんな男丸出しの格好で助けに行けるわけないでしょ!柳宿と行ってくる」
「お前らだけで出来るかい!」
「まー、あたしのことバカにしてんの!?あたしだって七星士なのよ」
「それはわかっとる!せやけど……!」
「柳宿、行こう!」
「ええ。そっちは任せたわよ!」
「……必ず追ってけぇよ!!」
一度頷くと、翼宿たちと分かれて廊下を小走りに進んだ。
「どこに捕まってるとか、わかるの?」
「道までは……ごめん」
「いいのよ。あ、見て。さっきからあっちに向かってる人が多いわ」
柳宿に言われて目で追うと、一つの部屋に入っていっている。静かに顔を見合わせると、ゆっくりと近づいた。
扉が僅かに開いている。中を覗き見れば、後ろ手で鎖で縛られて床に跪かされている軫宿の姿があった。その隣には、同じように井宿も縛られている。
あんな姿は知らない。私の行動で……させてしまったんだ。
「柳宿。行こう」
「堂々と入るわけ?」
「うん。堂々と近づく。気を引いてる間に鎖を外して」
「なるほどね。あたしにならそれが出来るわね」
「うん」
私はスゥ、と息を吸うと静かに吐いた。
よし。行ける。
「あの、少しよろしいかしら」
コロコロと滅多に出さない高い猫なで声を出しながら中に入った。
一斉に視線を受ける。軫宿と井宿も息を呑むのがわかった。
「お客人ではないか。どうしたのだ?」
「これは女王様もいらっしゃいましたか」
怯むな。ここで怯んでは怪しまれる。
私はスムーズに平伏した。すると女王は手を挙げ、顔を上げよと言った。
「突然来てしまいましてすみません。少し小耳に挟みまして」
「と、言うと?」
「ここに来れば、この“疼き”を止められる、と。こう、悶々としてしまって……」
そう言って胸元をぎゅっと掴む。ついでに頬も染めてやる。
「ほう。いい時に来られましたな」
「まぁ、本当ですか?」
「ちょうど、この者を種男にしようとしていたところだ」
そう言うと女達が軫宿を取り囲む。
「今すぐ目をくり貫くゆえ、この男を使うといい」
させるか、そんなこと。でも、そんな感情は今は見せてはダメだ。
笑え。ムカついても、笑え。
「お与えくださって、とても光栄なんですけれど……わたくし、血で汚れた体は嫌いですの」
「しかし男に女の肌は見せられん」
「目隠し。隠せばいいと思いません?」
くすくす笑いながら軫宿に近寄る。懐から手ぬぐいを出すと、それで目を隠した。
「ほら、これで見られませんわ」
そっと軫宿の肩に手を置いた。そこで柳宿を見る。
「あなたはあちらの男を頂いたら?」
「そーねェ。ならあたしも……」
どうやら止められはしないようだ。ここにいる者全て、ニヤニヤ笑いながら楽しんでいる。
男を卑下にして楽しんでいる。同じ女だけど、理解に苦しむ。
「どうされた?手が止まっているが」
「ふふ。どうやって楽しもうか考えていたところですわ」
目隠しをした軫宿が顔を上げてくる。
不安だろうか。ごめんね。
今から嫌なことするわ。