桜の思い出
memo
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「何故あの場で気絶した」
己の娘が帰ってきて早々これだ。
この男は娘が倒れてしまっても自分の一族優先である。
「我が一族に恥をかかせる気か!!」
薄暗い部屋に父の怒鳴り声が響き渡る。
娘が夫に殴られたり蹴られたりしても妻は見て見ぬふりをするまま。一度も夫に手出しを辞めるよう言ったことは無い。
祖父母や親戚も同様、己の身内が孫や姪に手を上げようが知らぬふりをしている。
「それくらいにしときなよ伯父さん」
雪梅より年下の従兄弟のボソリとした部屋に木霊した。
「これ以上やったらそいつの質が下がってそいつと結婚したいって集るヤツらが減るんじゃない?」
その言葉で父親は雪梅に手を上げるのを辞め、漆が塗られた木製のキャビネットから酒瓶を取りだし気を鎮める為にがぶがぶとグラスに注がずに飲み干す。
雪梅はこの場から去りたいと言うかのように早歩きで部屋を去った。
所変わって天蓬元帥の部屋。ソファにぐったりと座りながらタバコを吸っている。
「捲簾…気になるんですか?彼女の事」
「…べーつにー」
「別に」と答えてた捲簾の表情は疲れているのか何処かぼーっとしていた。
彼の頭の中では暗い表情をしながら自分の部屋を出ていった彼女の姿が写真の如くはっきりと焼き付いてる。
それに何処かで見たような顔だった。が、それが中々思い出せずにいるのだ。
ゆらゆらと揺らめく煙を見ながら何とか思い出そうとするが疲れで頭が動かない。
そんな中で捲簾は吸い終えた煙草を灰皿に強く押し付け、明日の遠征の為に早めに寝ると言って天蓬の部屋から出ていった。
「…どーしちまったんだろうなァ…俺」
暗く誰もいない廊下で独り言を漏らす。
今まで女との付き合いは後腐れの無いような関係で肌を重ねた女の事はさっぱりと何事も無かったかのように追わない。
そんな彼だったが珍しく昼に出会ったあの白い漢服を着た上層部の娘とやらの姿は今でも忘れられなくなっている。
「なんだか調子狂うわ…早めに風呂入って寝るか…」
明日の遠征に備えて、捲簾は帰って来て早々風呂に入り、夢も見ずにぐっすりと眠りにつくのだった。
己の娘が帰ってきて早々これだ。
この男は娘が倒れてしまっても自分の一族優先である。
「我が一族に恥をかかせる気か!!」
薄暗い部屋に父の怒鳴り声が響き渡る。
娘が夫に殴られたり蹴られたりしても妻は見て見ぬふりをするまま。一度も夫に手出しを辞めるよう言ったことは無い。
祖父母や親戚も同様、己の身内が孫や姪に手を上げようが知らぬふりをしている。
「それくらいにしときなよ伯父さん」
雪梅より年下の従兄弟のボソリとした部屋に木霊した。
「これ以上やったらそいつの質が下がってそいつと結婚したいって集るヤツらが減るんじゃない?」
その言葉で父親は雪梅に手を上げるのを辞め、漆が塗られた木製のキャビネットから酒瓶を取りだし気を鎮める為にがぶがぶとグラスに注がずに飲み干す。
雪梅はこの場から去りたいと言うかのように早歩きで部屋を去った。
所変わって天蓬元帥の部屋。ソファにぐったりと座りながらタバコを吸っている。
「捲簾…気になるんですか?彼女の事」
「…べーつにー」
「別に」と答えてた捲簾の表情は疲れているのか何処かぼーっとしていた。
彼の頭の中では暗い表情をしながら自分の部屋を出ていった彼女の姿が写真の如くはっきりと焼き付いてる。
それに何処かで見たような顔だった。が、それが中々思い出せずにいるのだ。
ゆらゆらと揺らめく煙を見ながら何とか思い出そうとするが疲れで頭が動かない。
そんな中で捲簾は吸い終えた煙草を灰皿に強く押し付け、明日の遠征の為に早めに寝ると言って天蓬の部屋から出ていった。
「…どーしちまったんだろうなァ…俺」
暗く誰もいない廊下で独り言を漏らす。
今まで女との付き合いは後腐れの無いような関係で肌を重ねた女の事はさっぱりと何事も無かったかのように追わない。
そんな彼だったが珍しく昼に出会ったあの白い漢服を着た上層部の娘とやらの姿は今でも忘れられなくなっている。
「なんだか調子狂うわ…早めに風呂入って寝るか…」
明日の遠征に備えて、捲簾は帰って来て早々風呂に入り、夢も見ずにぐっすりと眠りにつくのだった。
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