短編小説
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今日ははっろうぃーん。待ちに待ったハロウィーン。仮装の準備もばっちり、クッキーの準備も完璧。これで悪戯される事も無くハロウィンを楽しむことが出来る。しかも、菓子はどれもアタリ入り。とは言っても、ちょっと苦酸っぱいレモンピールが入っている程度の悪戯なんだけど。
「よっし、いつでもかかってこいやあ!」
一人悪魔の仮装して意気込みながら家で友人達が来るのを待つ私愛奈。衣装も某驚安の殿堂で揃えたし、メイクもばっちりだ。こんな時位にしかメイクをしない私は女失格かもしれん。…いやいやいや、今日日メイクしない女性も居れば、メイクする男性もいる。だから私は至って普通だ。
ピンポーン
と、一人考え事をしているとインターホンが鳴ったので私はぱたぱたと慌てて玄関まで駆けていった。
「はいはい、何方どす」
「「「トリックオアトリート!」」」
玄関の扉を開けると可愛らしい魔女とお化けと子犬…いや、狼男の仮装をしたコレットとジーニアスとロイドがお決まりの台詞を叫んでお菓子を寄越せと言ってくるので、私は満面の笑みを浮かべて用意していたお菓子を一人一人に配る。
「ありがとね、愛奈!…それと、素敵な衣装だね。似合ってるよ」
「ありがと、コレットちゃん」
「わあ、愛奈のお菓子だ!」
「ジーニアスが作るお菓子には劣っちまうけど不味くはないから安心しな」
「サンキューな、愛奈!早速食べようぜ!」
「はいはい、此処で食べないでお家帰って食べなー」
随分と賑やかな子ども達は私から貰ったお菓子を大事そうに抱えながら次の家へと向かっていった。あそこまで喜んでくれると頑張って作った甲斐があるってもんだ。
静かになった家に寂しさを感じながら、私は次に来る人達の為にお菓子を包んで用意する。
ピンポーン
「ほいほい、今度は誰かなーっと」
菓子が盛られた籠を手にして玄関を開けると、今度はプレセア、リーガル、ゼロス、しいなだった。何だか珍しい組み合わせに私は思わず笑ってしまった。
「どったの、珍しい組み合わせじゃん」
「いやぁ、丁度ばったり会ってねぇ。元々はこの問題児の見張りで一緒に居たんだけど」
「ひっでー!俺さまの何処が問題児だっての!」
「ゼロス君…色んな女性に声を掛けていて困らせていました…」
「彼処で我々が合流しなければ、沢山のご婦人に迷惑を掛けていたな」
先程来た子ども達とは違った賑やかさに私は相変わらずだなと思いながらお菓子を全員に渡した。本当は子どもの為の物だったが、折角来てくれたんだし渡しても良いよな。
菓子も貰ってご機嫌な大人達は礼を言って帰ってしまった。さて、私もそろそろ街へと繰り出そうかと思ったその瞬間。
ピンポーン
「今度は何方かなーっと」
「「「「トリックオアトリート」」」」
「え…マーテルは分かるけど…クラトスとユアンとミトスは意外だったな」
今度はその四人が来て、私は思わず手に持っていた籠を落としそうになってしまった。うん、天使の仮装をしたマーテルは分かるよ。とても似合ってるしハロウィンとかそういうイベント事も好きそう。
だけど、他の三人は…。
「クラトスが狼男に、ユアンが吸血鬼、ミトスはミイラ男か…ふふふ、楽しんでんな」
「私はロイドに言われてな…」
「ああ、だからか。親子で狼男って…もう可愛いったらありゃしない」
「可愛いのはお前だろう。其れは何の仮装だ?…もしや、サキュバs」
「悪魔ですー」
クラトスが私の格好をじろじろと見てはそんな事を吐きやがるので、私は頬を膨らませてはっきりと否定しておいた。何処をどう見たらサキュバスに見えるんだ。
「そんで?ユアンとミトスはマーテルに巻き込まれた感じ?」
「姉さまの頼み事だ、断れる訳なかろう」
「そんな所だな」
「あら、二人とも乗り気だったじゃない」
「ま、マーテル!?」「姉さま…!」
相変わらず振り回されている二人に私はドンマイと肩を叩く。だけど、結果的に楽しんでいるので結果オーライ的な感じなのか?
「おっと、菓子を渡しそびれる所だったな。ほい、ハッピーハロウィン。良い夜を」
私は一人一人に菓子を手渡していくと、マーテルがまるで聖母の様な微笑みを浮かべて私の頭をそっと撫でる。私は子どもじゃないんだからと手を振り払おうとするが、あまりの心地よさに思わず甘んじてなでなでを受け入れてしまう。
「有り難う、愛奈。貴女もハロウィンを楽しんでね」
「感謝する。すまんな…本来ならば子ども達に配る物だったんだろう?」
「いいってことよ。あらかた配ったし後だし、他の大人達にも配ったしな」
申し訳無さそうに苦笑いを浮かべるユアンに私は手を振って笑う。折角来てくれたのに菓子を渡さないってのも出来ないし、正直悪戯クッキーをあのメンツにあげたいというのもある。
「それじゃあ、私達はそろそろ帰るわね」
「邪魔したな。菓子は帰ってから頂くとしよう」
皆が帰ろうとしたので私はまたねと手を振って見送っていると、ミトスはクラトスの菓子をひょいっと取り上げてしまう。それも、にやりと妖しげな笑みを浮かべて。
「……クラトス、貸し一つだからな」
「フッ…感謝する」
「お、おい!大人げないぞ!ミトス!早くクラトスに菓子を返せって!」
「断る。それではな」
私が掴みかかって取り返そうとするも、身長差がある所為で取り返せずミトスはマーテルとユアンと共に帰ってしまった。
なんということでしょう。あれで菓子が最後だったというのに…これでは…。
「それでは改めて…トリックオアトリート 」
「っ…!」
耳元で甘くて蕩ける様な低音で囁かれ、私の身体はびくりと反応しそれだけで身体が疼いてしまうのは、きっと身も心も惚れ込んでしまっている所為だろう。ああ、悪戯する予定がされてしまうなんて。
この後戸締まりをし、ハロウィンだというのに明かりを消して別の意味でハロウィンナイトを楽しんだのはまた別のお話。
「よっし、いつでもかかってこいやあ!」
一人悪魔の仮装して意気込みながら家で友人達が来るのを待つ私愛奈。衣装も某驚安の殿堂で揃えたし、メイクもばっちりだ。こんな時位にしかメイクをしない私は女失格かもしれん。…いやいやいや、今日日メイクしない女性も居れば、メイクする男性もいる。だから私は至って普通だ。
ピンポーン
と、一人考え事をしているとインターホンが鳴ったので私はぱたぱたと慌てて玄関まで駆けていった。
「はいはい、何方どす」
「「「トリックオアトリート!」」」
玄関の扉を開けると可愛らしい魔女とお化けと子犬…いや、狼男の仮装をしたコレットとジーニアスとロイドがお決まりの台詞を叫んでお菓子を寄越せと言ってくるので、私は満面の笑みを浮かべて用意していたお菓子を一人一人に配る。
「ありがとね、愛奈!…それと、素敵な衣装だね。似合ってるよ」
「ありがと、コレットちゃん」
「わあ、愛奈のお菓子だ!」
「ジーニアスが作るお菓子には劣っちまうけど不味くはないから安心しな」
「サンキューな、愛奈!早速食べようぜ!」
「はいはい、此処で食べないでお家帰って食べなー」
随分と賑やかな子ども達は私から貰ったお菓子を大事そうに抱えながら次の家へと向かっていった。あそこまで喜んでくれると頑張って作った甲斐があるってもんだ。
静かになった家に寂しさを感じながら、私は次に来る人達の為にお菓子を包んで用意する。
ピンポーン
「ほいほい、今度は誰かなーっと」
菓子が盛られた籠を手にして玄関を開けると、今度はプレセア、リーガル、ゼロス、しいなだった。何だか珍しい組み合わせに私は思わず笑ってしまった。
「どったの、珍しい組み合わせじゃん」
「いやぁ、丁度ばったり会ってねぇ。元々はこの問題児の見張りで一緒に居たんだけど」
「ひっでー!俺さまの何処が問題児だっての!」
「ゼロス君…色んな女性に声を掛けていて困らせていました…」
「彼処で我々が合流しなければ、沢山のご婦人に迷惑を掛けていたな」
先程来た子ども達とは違った賑やかさに私は相変わらずだなと思いながらお菓子を全員に渡した。本当は子どもの為の物だったが、折角来てくれたんだし渡しても良いよな。
菓子も貰ってご機嫌な大人達は礼を言って帰ってしまった。さて、私もそろそろ街へと繰り出そうかと思ったその瞬間。
ピンポーン
「今度は何方かなーっと」
「「「「トリックオアトリート」」」」
「え…マーテルは分かるけど…クラトスとユアンとミトスは意外だったな」
今度はその四人が来て、私は思わず手に持っていた籠を落としそうになってしまった。うん、天使の仮装をしたマーテルは分かるよ。とても似合ってるしハロウィンとかそういうイベント事も好きそう。
だけど、他の三人は…。
「クラトスが狼男に、ユアンが吸血鬼、ミトスはミイラ男か…ふふふ、楽しんでんな」
「私はロイドに言われてな…」
「ああ、だからか。親子で狼男って…もう可愛いったらありゃしない」
「可愛いのはお前だろう。其れは何の仮装だ?…もしや、サキュバs」
「悪魔ですー」
クラトスが私の格好をじろじろと見てはそんな事を吐きやがるので、私は頬を膨らませてはっきりと否定しておいた。何処をどう見たらサキュバスに見えるんだ。
「そんで?ユアンとミトスはマーテルに巻き込まれた感じ?」
「姉さまの頼み事だ、断れる訳なかろう」
「そんな所だな」
「あら、二人とも乗り気だったじゃない」
「ま、マーテル!?」「姉さま…!」
相変わらず振り回されている二人に私はドンマイと肩を叩く。だけど、結果的に楽しんでいるので結果オーライ的な感じなのか?
「おっと、菓子を渡しそびれる所だったな。ほい、ハッピーハロウィン。良い夜を」
私は一人一人に菓子を手渡していくと、マーテルがまるで聖母の様な微笑みを浮かべて私の頭をそっと撫でる。私は子どもじゃないんだからと手を振り払おうとするが、あまりの心地よさに思わず甘んじてなでなでを受け入れてしまう。
「有り難う、愛奈。貴女もハロウィンを楽しんでね」
「感謝する。すまんな…本来ならば子ども達に配る物だったんだろう?」
「いいってことよ。あらかた配ったし後だし、他の大人達にも配ったしな」
申し訳無さそうに苦笑いを浮かべるユアンに私は手を振って笑う。折角来てくれたのに菓子を渡さないってのも出来ないし、正直悪戯クッキーをあのメンツにあげたいというのもある。
「それじゃあ、私達はそろそろ帰るわね」
「邪魔したな。菓子は帰ってから頂くとしよう」
皆が帰ろうとしたので私はまたねと手を振って見送っていると、ミトスはクラトスの菓子をひょいっと取り上げてしまう。それも、にやりと妖しげな笑みを浮かべて。
「……クラトス、貸し一つだからな」
「フッ…感謝する」
「お、おい!大人げないぞ!ミトス!早くクラトスに菓子を返せって!」
「断る。それではな」
私が掴みかかって取り返そうとするも、身長差がある所為で取り返せずミトスはマーテルとユアンと共に帰ってしまった。
なんということでしょう。あれで菓子が最後だったというのに…これでは…。
「それでは改めて…
「っ…!」
耳元で甘くて蕩ける様な低音で囁かれ、私の身体はびくりと反応しそれだけで身体が疼いてしまうのは、きっと身も心も惚れ込んでしまっている所為だろう。ああ、悪戯する予定がされてしまうなんて。
この後戸締まりをし、ハロウィンだというのに明かりを消して別の意味でハロウィンナイトを楽しんだのはまた別のお話。