短編小説
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「……こんな事ってある?」
とある晴れた朝。私は宿屋で朝を迎えると、身体の異変に直ぐに気が付きがっくりと項垂れる。
何故直ぐに気が付いたかって?
そりゃ、隣見て自分が寝てたら嫌でも気付くでしょうよ。
「嘘だろ…しかも、今度はよりによってクラトスと…。どうすんだよ、これ」
クラトスの声で何とも口の悪い言葉を吐いていると、漸く眠りこけていたクラトスが目を覚まし、今置かれている状況を理解した。
初めは何故目の前に自分が居るのか困惑していたが、自分の基私の身体に触れて全て理解した様だ。
「私が何故愛奈と入れ替わっているのだ…」
「それは私が聞きたいって。どうしよう…この後、やる事が山積みだってのに…」
「……仕方あるまい。このまま皆と合流して次の町へ行く他無いだろう」
「だよな…」
そう言って私達はそれぞれ着替えを済ませ、皆の待つ宿屋の前へと向かう。お互い見慣れた身体だったので裸を見てどうこう思う事は無かったが、クラトスはというと下着の着用に手間取っていた。
普段外す事はあっても着ける事が無いので中々に四苦八苦しながら着けていて、私はついくすりと笑ってしまった。
そんな私にクラトスは私の顔でむすりと不機嫌そうに顔を顰めるが、それがまた可笑しくて遂には声を上げて笑ってしまった。
「あはははっ!おっかしー」
「…私の顔と声でその様に大声で笑われると…違和感しかないな」
「それじゃあ、良い機会だしもうちょい笑うようにしたら?」
「私がそれをやってみろ。不気味だと思うが?」
「……確かに」
少し手間取っていたがクラトスの支度も終わったので、私達は皆が待つ宿屋前まで移動した。
それにしても、普段よりも目線が高いので世界が変わって見える。高身長って羨ましい。しかし、使い慣れていない身体の所為かやっぱり違和感があって、歩く度に躓きそうになってしまう。
果たしてこれで戦う事が出来るのだろうか。戦闘に支障が出るようであれば、私達は直るまで戦力外となるだろうな。
「おはよう」「…おはよう」
「おう、おはよう…って、どうしたんだよ愛奈。何か機嫌悪そうだな」
私達がやってきた頃には皆は揃っており、どうやら私達が最後だったようだ。
「何時も通り」に挨拶をすると、ロイドは明るく挨拶を返してくれるが違和感に気が付き、首を傾げながら此方へと近付いてきた。
流石クラトスの息子だけあって勘が良いな。勘の良いガキは…いや、ロイドは例外だな。大好きだよ畜生。
「ん?私は別に機嫌悪くないけど?」
「いや、俺は愛奈に聞いたんだけど…ん?何でアンタが返事してるんだ、クラトス」
「……クラトスは私だ」
「は?そっちは愛奈じゃ…って…もしかして…!!」
そう、そのもしかしてだよ。ロイド君や。
私達の会話を聞いていた周りの人間も気付き、ざわざわと騒ぎ始めたので、私は此処で騒いでは他の者達に迷惑になると一度町を出る事を提案し、皆で町の外の草原地帯で話の続きを始めたのであった。
「えっと…クラトスさんが、愛奈で…愛奈がクラトスさんってこと…なんだよね?」
私とクラトスの顔を交互に見ながら確認をするコレットがあまりにも可愛すぎたので、私はクラトスの身体だという事を忘れてコレットに抱き付くとなでなでと優しく頭を撫でる。
「そうだぞー、コレットちゃんは賢いし可愛いなぁ…!」
「っ…クラトスさんの声と姿でそういうこと言われるとなんだかドキドキしちゃうね…」
「私もドキドキしてきちゃったよ、コレッ…ドオオォッ!?」
「ええい…私の身体で奇行に走るな…!」
「いかん危ない危ない!今の私完全に天使化してるから力えげつないって!」
「もういっその事口を閉じて何も喋るな」
「あぁん、ひどぅい」
「…!!」
私の頭を羽を出してまで鷲掴みにし、ギリギリと渾身の力で締め上げるので私は思わずコレットから離れてしまう。
そして、私が何か発する度に掴む力は増していき、遂には頭が軋み出す始末だ。
これ、端から見たらとんでもない絵面ぞ…クラトス。
一頻り仕置きして気が済んだクラトスは皆の方へと視線を向けて、げんなりとした様子で肩を落として皆に事の顛末を説明し始める。
「朝起きてみればこの有様だ…。この様子で分かるとは思うが、私達は普段通りの動きが出来ぬだろう。だから、戦闘ではサポートに徹する事にする」
「いや、それは全然構わないんだけど…なんか調子狂うなぁ」
「すまぬ、ロイド。こればかりはどうしようもないのだ。諦めてくれ」
「分かったよ。じゃあ、愛奈…じゃなかった。クラトスは術で、愛奈は…」
「いや、私が術でサポートに入るわ。クラトス、今のアンタは私の身体だから自分の剣持てば何時も通りに戦えるだろ」
ロイドとクラトスの会話に私は割って入り、クラトスの腰に下げられていたラストフェンサーを手渡してやり、その代わりに自分の身体に嵌められている指輪を外して着ける。
「成る程。しかし、感覚が分からぬのだが…」
「それはやってみ、としか言いようがないんだよなぁ…っと、丁度良いところに魔物がひぃ、ふぅ、みぃ…うん、あれで試そう」
「じゃあ、俺達は次の町に行ってるから二人はゆっくりと来てくれ」
「え、置いてかれるの?まあ、いっか。適当に追い掛けるから先行ってておけー」
私達を置いて先に進む仲間達に、私はひらひらと手を振って魔物達へと視線を向けて詠唱の準備を始める。
自分の身体ではないので無詠唱という訳にはいかず、かといって今まで能力に頼り切っていたので剣を振って戦うのは現実的では無いので、私は渋々サンダーブレードの詠唱へと入る。
クラトスはというと、己の剣を握り締めると私の言っていた意味が理解出来たのか、早速慣れる為に魔物へと突っ込んでいった。
「はっ!魔神剣!」
「おー、様になってんなー…サンダーブレード!」
「これは凄いな…敵に回した時は非常に厄介であったが、自分で使うとこうも便利な力とは…。他の武器も試してみても良いだろうか?」
「ほいほい、かまへんで」
こうして私達は魔物達を実験台に色々な事を試していた。クラトスは普段使わない武器や、使えぬ武器。そして魔術もバンバン放っていた。
私はというと、前衛には出られないのでひたすら中級魔術と治癒術を使用していた。だって、上級魔術使えないんだもん。おもろくないわー。早くも自分の身体が恋しくなってきた。
「クラトスー、そろそろ皆を追い掛けるぞー!」
あれからどれだけ経ったか、暫く周辺の魔物を狩って感覚を掴む所か楽しむまでいっていたクラトスを呼ぶと、やっとこさ剣を振るう手を止めて此方へ戻ってきた。
こういうところもあるんだな、クラトス。
「む…つい夢中になってしまっていたな…」
「全く…ほら、飛んで行くぞ!」
「承知した」
私達は羽を出してふわり、と浮かび上がると、皆が向かった次の町へと向け飛んで向かった。
心なしか普段よりも早く飛べている気がするのはやはりクラトスの羽だからか。いいなぁ、ちょっぴり羨ましい。
クラトスは私の羽で追い掛ける様に私の後を付いてくる。何時もと変わらない光景だというのに、視線が違うだけでこうも見方が変わるんだな。
「…っ…すまぬ、愛奈。もう少しスピードを落としてくれ」
「あっ…ごめん。これで大丈夫?」
クラトスに声を掛けられて後ろを振り向くと大分引き離してしまっていたので、私は慌ててスピードを落としてクラトスの横へ並んで飛ぶ。
「ああ、この位で大丈夫だ。しかし、気を付けねばならぬな…」
「ごめん。何時もの感覚でスピードを出してたら結構出てたんだよ…」
「いや、そうではなく…寧ろ謝るのは私の方だ。私は結構速く飛んでいたのだな、と…無理をさせていたのだと実感したのだ」
「まあ…それは能力の差だししゃあなし。だから気にすんなって。それに、私はクラトスの後ろを飛ぶのも好きだぞ?というか、一緒に飛ぶのが好きなんだよ」
「そう、か…」
申し訳無さそうに謝るクラトスに私は苦笑いを浮かべて首を振って、気にするなと言ってやるとクラトスは嬉しそうに私の顔で微笑んだ。
「…私ってそんな風に優しい顔も出来たんだな」
「何を言っているのだ。お前は何時でも優しい表情をしているではないか。それにころころと変わる表情も私は好きだが?」
「私は凛々しくて、それでいて時折優しく微笑むクラトスの顔が好き。後は、きりっと敵を見据える視線も、私を抱いてる時の少し余裕が無い表情も、偶にからかってくる時のちょっと子どもっぽい表情も…全部が大好き」
「愛奈…もう…十分分かったから…止めてくれ…」
周りの人間が聞いていたら恥ずかしい事も今は二人きりなのでさらさらと言えてしまう。
というか、普段なら私もこんな事言わないんだけど…どうしてだか、今日はするりと思った事を口に出来てしまった。
そんな私の素直な言葉を静かに聞いていたクラトスの顔は徐々に赤くなっていき、手を翳してもう止めてくれと言うので私ははぁいと笑いながら返して、皆が待つ町の近くに降り立って町へと入っていった。
その後、次の朝には私達の身体は元通りになっていた。もう少し楽しみたかったなと二人して笑い合った。
突然のアクシデントとはいえ、偶にはこういうのも悪くは無いかもしれない。
だって、またクラトスの魅力が知れたから。
とある晴れた朝。私は宿屋で朝を迎えると、身体の異変に直ぐに気が付きがっくりと項垂れる。
何故直ぐに気が付いたかって?
そりゃ、隣見て自分が寝てたら嫌でも気付くでしょうよ。
「嘘だろ…しかも、今度はよりによってクラトスと…。どうすんだよ、これ」
クラトスの声で何とも口の悪い言葉を吐いていると、漸く眠りこけていたクラトスが目を覚まし、今置かれている状況を理解した。
初めは何故目の前に自分が居るのか困惑していたが、自分の基私の身体に触れて全て理解した様だ。
「私が何故愛奈と入れ替わっているのだ…」
「それは私が聞きたいって。どうしよう…この後、やる事が山積みだってのに…」
「……仕方あるまい。このまま皆と合流して次の町へ行く他無いだろう」
「だよな…」
そう言って私達はそれぞれ着替えを済ませ、皆の待つ宿屋の前へと向かう。お互い見慣れた身体だったので裸を見てどうこう思う事は無かったが、クラトスはというと下着の着用に手間取っていた。
普段外す事はあっても着ける事が無いので中々に四苦八苦しながら着けていて、私はついくすりと笑ってしまった。
そんな私にクラトスは私の顔でむすりと不機嫌そうに顔を顰めるが、それがまた可笑しくて遂には声を上げて笑ってしまった。
「あはははっ!おっかしー」
「…私の顔と声でその様に大声で笑われると…違和感しかないな」
「それじゃあ、良い機会だしもうちょい笑うようにしたら?」
「私がそれをやってみろ。不気味だと思うが?」
「……確かに」
少し手間取っていたがクラトスの支度も終わったので、私達は皆が待つ宿屋前まで移動した。
それにしても、普段よりも目線が高いので世界が変わって見える。高身長って羨ましい。しかし、使い慣れていない身体の所為かやっぱり違和感があって、歩く度に躓きそうになってしまう。
果たしてこれで戦う事が出来るのだろうか。戦闘に支障が出るようであれば、私達は直るまで戦力外となるだろうな。
「おはよう」「…おはよう」
「おう、おはよう…って、どうしたんだよ愛奈。何か機嫌悪そうだな」
私達がやってきた頃には皆は揃っており、どうやら私達が最後だったようだ。
「何時も通り」に挨拶をすると、ロイドは明るく挨拶を返してくれるが違和感に気が付き、首を傾げながら此方へと近付いてきた。
流石クラトスの息子だけあって勘が良いな。勘の良いガキは…いや、ロイドは例外だな。大好きだよ畜生。
「ん?私は別に機嫌悪くないけど?」
「いや、俺は愛奈に聞いたんだけど…ん?何でアンタが返事してるんだ、クラトス」
「……クラトスは私だ」
「は?そっちは愛奈じゃ…って…もしかして…!!」
そう、そのもしかしてだよ。ロイド君や。
私達の会話を聞いていた周りの人間も気付き、ざわざわと騒ぎ始めたので、私は此処で騒いでは他の者達に迷惑になると一度町を出る事を提案し、皆で町の外の草原地帯で話の続きを始めたのであった。
「えっと…クラトスさんが、愛奈で…愛奈がクラトスさんってこと…なんだよね?」
私とクラトスの顔を交互に見ながら確認をするコレットがあまりにも可愛すぎたので、私はクラトスの身体だという事を忘れてコレットに抱き付くとなでなでと優しく頭を撫でる。
「そうだぞー、コレットちゃんは賢いし可愛いなぁ…!」
「っ…クラトスさんの声と姿でそういうこと言われるとなんだかドキドキしちゃうね…」
「私もドキドキしてきちゃったよ、コレッ…ドオオォッ!?」
「ええい…私の身体で奇行に走るな…!」
「いかん危ない危ない!今の私完全に天使化してるから力えげつないって!」
「もういっその事口を閉じて何も喋るな」
「あぁん、ひどぅい」
「…!!」
私の頭を羽を出してまで鷲掴みにし、ギリギリと渾身の力で締め上げるので私は思わずコレットから離れてしまう。
そして、私が何か発する度に掴む力は増していき、遂には頭が軋み出す始末だ。
これ、端から見たらとんでもない絵面ぞ…クラトス。
一頻り仕置きして気が済んだクラトスは皆の方へと視線を向けて、げんなりとした様子で肩を落として皆に事の顛末を説明し始める。
「朝起きてみればこの有様だ…。この様子で分かるとは思うが、私達は普段通りの動きが出来ぬだろう。だから、戦闘ではサポートに徹する事にする」
「いや、それは全然構わないんだけど…なんか調子狂うなぁ」
「すまぬ、ロイド。こればかりはどうしようもないのだ。諦めてくれ」
「分かったよ。じゃあ、愛奈…じゃなかった。クラトスは術で、愛奈は…」
「いや、私が術でサポートに入るわ。クラトス、今のアンタは私の身体だから自分の剣持てば何時も通りに戦えるだろ」
ロイドとクラトスの会話に私は割って入り、クラトスの腰に下げられていたラストフェンサーを手渡してやり、その代わりに自分の身体に嵌められている指輪を外して着ける。
「成る程。しかし、感覚が分からぬのだが…」
「それはやってみ、としか言いようがないんだよなぁ…っと、丁度良いところに魔物がひぃ、ふぅ、みぃ…うん、あれで試そう」
「じゃあ、俺達は次の町に行ってるから二人はゆっくりと来てくれ」
「え、置いてかれるの?まあ、いっか。適当に追い掛けるから先行ってておけー」
私達を置いて先に進む仲間達に、私はひらひらと手を振って魔物達へと視線を向けて詠唱の準備を始める。
自分の身体ではないので無詠唱という訳にはいかず、かといって今まで能力に頼り切っていたので剣を振って戦うのは現実的では無いので、私は渋々サンダーブレードの詠唱へと入る。
クラトスはというと、己の剣を握り締めると私の言っていた意味が理解出来たのか、早速慣れる為に魔物へと突っ込んでいった。
「はっ!魔神剣!」
「おー、様になってんなー…サンダーブレード!」
「これは凄いな…敵に回した時は非常に厄介であったが、自分で使うとこうも便利な力とは…。他の武器も試してみても良いだろうか?」
「ほいほい、かまへんで」
こうして私達は魔物達を実験台に色々な事を試していた。クラトスは普段使わない武器や、使えぬ武器。そして魔術もバンバン放っていた。
私はというと、前衛には出られないのでひたすら中級魔術と治癒術を使用していた。だって、上級魔術使えないんだもん。おもろくないわー。早くも自分の身体が恋しくなってきた。
「クラトスー、そろそろ皆を追い掛けるぞー!」
あれからどれだけ経ったか、暫く周辺の魔物を狩って感覚を掴む所か楽しむまでいっていたクラトスを呼ぶと、やっとこさ剣を振るう手を止めて此方へ戻ってきた。
こういうところもあるんだな、クラトス。
「む…つい夢中になってしまっていたな…」
「全く…ほら、飛んで行くぞ!」
「承知した」
私達は羽を出してふわり、と浮かび上がると、皆が向かった次の町へと向け飛んで向かった。
心なしか普段よりも早く飛べている気がするのはやはりクラトスの羽だからか。いいなぁ、ちょっぴり羨ましい。
クラトスは私の羽で追い掛ける様に私の後を付いてくる。何時もと変わらない光景だというのに、視線が違うだけでこうも見方が変わるんだな。
「…っ…すまぬ、愛奈。もう少しスピードを落としてくれ」
「あっ…ごめん。これで大丈夫?」
クラトスに声を掛けられて後ろを振り向くと大分引き離してしまっていたので、私は慌ててスピードを落としてクラトスの横へ並んで飛ぶ。
「ああ、この位で大丈夫だ。しかし、気を付けねばならぬな…」
「ごめん。何時もの感覚でスピードを出してたら結構出てたんだよ…」
「いや、そうではなく…寧ろ謝るのは私の方だ。私は結構速く飛んでいたのだな、と…無理をさせていたのだと実感したのだ」
「まあ…それは能力の差だししゃあなし。だから気にすんなって。それに、私はクラトスの後ろを飛ぶのも好きだぞ?というか、一緒に飛ぶのが好きなんだよ」
「そう、か…」
申し訳無さそうに謝るクラトスに私は苦笑いを浮かべて首を振って、気にするなと言ってやるとクラトスは嬉しそうに私の顔で微笑んだ。
「…私ってそんな風に優しい顔も出来たんだな」
「何を言っているのだ。お前は何時でも優しい表情をしているではないか。それにころころと変わる表情も私は好きだが?」
「私は凛々しくて、それでいて時折優しく微笑むクラトスの顔が好き。後は、きりっと敵を見据える視線も、私を抱いてる時の少し余裕が無い表情も、偶にからかってくる時のちょっと子どもっぽい表情も…全部が大好き」
「愛奈…もう…十分分かったから…止めてくれ…」
周りの人間が聞いていたら恥ずかしい事も今は二人きりなのでさらさらと言えてしまう。
というか、普段なら私もこんな事言わないんだけど…どうしてだか、今日はするりと思った事を口に出来てしまった。
そんな私の素直な言葉を静かに聞いていたクラトスの顔は徐々に赤くなっていき、手を翳してもう止めてくれと言うので私ははぁいと笑いながら返して、皆が待つ町の近くに降り立って町へと入っていった。
その後、次の朝には私達の身体は元通りになっていた。もう少し楽しみたかったなと二人して笑い合った。
突然のアクシデントとはいえ、偶にはこういうのも悪くは無いかもしれない。
だって、またクラトスの魅力が知れたから。