第十七章 博士の本性
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「サーハイマン博士…?」
「ククク…今回は私の勝ちというわけか」
「君は、まさか!」
レイトンが声を上げると、サーハイマンはどこからともなく出した黒いマントを翻し仮面の男・デスコールの姿に変わった。
デスコールは片手にキーストーンを掴んだまま、満足そうに口元に弧を描いた。
「こうすれば分かってもらえるかな」
「デスコール!」
「お前の正体は…サーハイマン博士だったのか!」
「でしょうね」
「「「「え?」」」」
アーリア以外の全員が、ひとり冷めているレイカを見た。
そのあまりの温度差にルークが眉をひそめた。
「でしょうねって…知ってたんですか!?」
「知ってたっていうか…あからさまにデスコールじゃない?」
変装ってわけじゃないし、声も靴も同じだしと指摘すると、レミとルークは難しい顔をしたまま、なるほど…と薄目でデスコールを見た。
てかみんなサーロインさんのことをデスコールみたいに雑に扱ってたから、逆に知ってるもんだと思ってたよ。
「と言っても、確信したのはスリープルスに行った時だけど」
「フッ、さすがだな」
「そんな大事なこと、早く言ってくださいよ!」
「言ったら空気悪くなるし、最悪、足がなくなるじゃん?」
ボストニアス号はあっちの持ち物だしと言うと、ルークがものすごく悔しそうに頬を膨らませた。
「私もまた、利用されていたということか」
「しかしデスコール、君がなぜ…」
「なぜここまで導いたのか、と聞きた「どうせ自分一人じゃムリだからナゾを解くのに利用したとかでしょ」
「………今の私は気分がいいからな。そういうことにしておこう」
「図星やん」
ご機嫌なデスコールは不敵に笑い、「では、またな!」とマントをはためかせて躊躇なくビルから飛び降りた。
まさかの行動に急いで下を覗き込むとマントがパラシュートに変わり、ゆっくりと滑空していた。
「あ、あぁ…!」
「マジで用意するものがルパ◯のそれなんだけど」
「ボストニアス号の置かれた広場に向かっていますね」
どうするんですか、先生!とルークが急かすように尋ねると、少し思案した後に、何かをひらめいたレイトンは踵を返した。
それに付いていくと向かう先はエレベーター…ではなく、グラロリの部屋だった。
「この部屋になら役に立つものがあるはずだ」
「デスコールを追いかけるのに、こんなところで何をするんですか?」
「彼を見習うのさ。ビルから飛び降りるんだ」
「えぇっ!?こんな高いビルから飛び降りるなんて無茶ですよ!」
「高いビルだからこそ、飛び降りた方が速いんだよ」
「え、紐無しバンジー?」
「拘束したままでいいなら止めないよ」
「それただの殺人事件っす…」
ちょっとボケただけなのにバイオレンスな冗談で返すなよなハハハ…と思いつつ、本当に冗談であることを願う。
それから先生の指示の下、グラロリの部屋で劇的快適ビフォーアフターもとい材料集めが始まった。
途中でフォルム最高の鉄パイプを発見してネコババしようとしたが、流れるように先生に回収された。
そして、天井に吊るされていた翼竜の骨格標本を文字通り骨組みにして、即席のハングライダーが完成した。
さっそく屋上に運び、ボストニアス号のある方角へ向きを合わせると、先生はハングライダーの持ち手(フォルム最高の鉄パイプ)を握った。
「先生、本当にここから飛び降りるんですか…?」
「問答している時間はない。彼がゴッド街を出る前に止めなくては」
「気をつけてください、教授」
「大丈夫さ」
「その鉄パイプ、絶対返してね!」
「………君たちは後から来るんだ!」
「返事は!?」
返事はないまま(でもちょっと笑ってた)、先生は駆け出しビルから飛び立った。
まぁ、でも持ち手の部分だし、大破とか余程のことがない限りは無事だろう…鉄パイプは。
念の為とボストニアス号へ導くように風の流れをイメージして小さくなっていく先生の背中を見送った。
「僕たちも早く行きましょう!」
「そうね、急いで追いかけるのよ!……ん?」
駆け出そうとしたレミが何かを見つけた。
同じ方向を見ると少し離れたところでアーリアが呆然と立っていた。
そういえばハングライダーを作ってる時、アーリアいたか…?
もしかしてデスコールショックのせいで、ずっとその場で放心してたのかも。
3人で引きつった顔を見合わせ、アーリアに近付きそろりと様子をうかがった。
「………」
「ア、アーリア、大丈夫…?」
「博士は…どうしてあんなことを?」
アーリアは悲しそうにどうして…と繰り返し呟いた。
アーリアへのフォローを忘れてたあたしのバカァァァ!
こんなピュアっピュアなアーリアの傷心を放っておいてしまうなんて江戸っ子の名折れだ…!
「だ、大丈夫だよアーリア。キーストーンは先生が取り返してくれるよ!」
「ルーク…でも、サーハイマン博士は…」
「一旦忘れよう、うん!びっくりしちゃったよね!?突然あんな変態現れたら!」
「全く、許せないわデスコール…!」
あたしたちはアーリアを励ましながら、でも気持ち急ぎめにエレベーターへ向かった。
エレベーターの下降がやけに遅く感じて、その間3人でデスコールへの罵詈雑言で盛り上がった。
.
