第十七章 博士の本性
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外に出たレイトンたちは少し離れたところからアーリアの後ろ姿を見守った。
アーリアは集中するように目を閉じ、再び開いたその瞳には決意が滲んでいた。
「それでは皆さん、始めます」
アーリアの宣言に緊張が走る。
足元にエッグを置き、数歩下がったアーリアは両手をかざした。
「『ここに集いし5つの聖閃石よ、使者の祈りに応え、真の姿を示せ…』」
アーリアがそう唱えると、5つのエッグは淡く光りながら宙に浮かんだ。
そして1つずつエッグが変形していき、最後にはトロフィーぐらいの大きさに合体した。
それを見上げていたルークが、すごい…と感動している声が小さく聞こえた。
「エッグにこのような仕掛けがあったとは…」
「これが…アスラントの英知を手に入れるための鍵、キーストーン…」
「なんか巨大な栓抜きっぽい」
キーストーンがアーリアの腕に降りてくると、無表情だったアーリアが苦しそうに呻きながら顔を歪ませた。
「頭が割れそう…うぅっ!」
「アーリア…?」
「そんな…私は、どうしたら…」
混乱しているようにも見えたが、駆け寄ってきたレイトン達の顔を一人ひとり確認するように見つめると深呼吸をして落ち着きを取り戻した。
しかしアーリアの表情はさっきまでの覚悟や決意が消え、晴れない顔をしたままだ。
「私、何もかも思い出しました。アスラント文明の秘宝が何なのか…自分が誰なのか…思い出したくなかったことも、全て」
「これがアスラントの遺した真の鍵…キーストーンか」
「アスラントは、キーストーンのナゾを解いた皆さんに再びメッセージを遺しました。『使者と共に旅する者よ、そなたらの始まりの地にカギをかざせ。扉は開かれ、道は神殿へと続くだろう。我らの英知はそこにある』…そのカギ、キーストーンが完成した時に私の中に流れ込んできたメッセージです」
さっきから一人でボヤいているサーロインさんは無視してアーリアを見守る。
悲痛な面持ちでその役目を果たそうとしていて、こちらまで苦しくなりそうだ。
記憶が戻ったということは、この先自分がしたいことをアーリアは決めたのだろうか。
そう思った時、アーリアが巨大栓抜きを抱く力を強めて顔を上げた。
「アスラント神殿はもう目覚めかけています。最後のカギを開けてしまう前にこのキーストーンを処分しなければ」
「オッケー!今すぐそれをコンクリートで固めてマリアナ海溝の一番深いところへ沈めに行こう!」
「この期に及んで何を言い出すんだ」
異を唱えたのはもちろんサーロインさんだ。
ほら見ろアーリアのことなんか全然考えてない。
その証拠に、さっきから巨大栓抜きだけを瞬きせずに見つめているせいで目が渇いて充血している。
ここで引く訳にはいかないと、あたしはサーロインさんを睨む。
「アーリアがそれを望んでるんで。それにあたしもこんなものはさっさと処分した方がいいと思う」
「君は私に協力してくれるのではなかったのか」
「タージェントをぶっ潰すのは協力するけど、それとこれとは話が違う」
毅然として譲らないサーハイマンとレイカが睨み合い始めた。
そのいつもと異なる様子に周囲も引っかかりを覚えた瞬間、突然にこりと表情を変えたサーハイマンがアーリアの方へ向き直った。
「アーリア…今の君は不安定だ。キーストーンの力が強すぎるのだろう」
「私は…」
「…それに顔色も悪い。真相を突き止めるにしても、しばらくは身体を休めた方がいい。キーストーンは私が預かろう」
「渡しちゃダメ!コイツ、さっきからその巨大栓抜きのことしか考えてないから」
「酷い言われようだな…前にも説明しただろう、アーリア。レイカ君はアスラントの力に影響を受けてしまうんだ。今の彼女は正気じゃない」
「はぁ!?正気じゃないのはアンタの方だろ!」
「二人とも、アーリアが困ってますよ!」
「!ごめん、アーリア」
ルークの声でハッとしたレイカは困惑した様子のアーリアを見て身を引いた。
その一瞬の隙を突いてアーリアの腕からキーストーンが抜き取られてしまった。
アーリアは何が起こったか理解できず、キーストーンを奪ったサーハイマンを呆然と見た。
しかし彼の表情はいつもの柔らかなものではなく、冷たい目をして笑っていた。
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