第十六章 ナゾ解かぬ者、ナゾに泣く
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置いて行かれたあたしとアーリアは先生たちの後を辿り路地を進む。
突き当たりまで来ると目の前のビルを見上げている4人に追いついた。
するとルークが見上げきれずに後退してきてあたしにぶつかった。
「ちょっとー、こういうビル街で上の方ばっか見てると田舎者って思われちゃうよ」
「だってこんな背の高い建物、ロンドンにもありませんよ!」
「…それロンドンが田舎って言いたいの?」
むくれるルークのよく分からない反論に、確かにこんなアホみたいな高さの建物はロンドンにはないけどともう一度ビルを見上げた。
遥か彼方に見えるビルのてっぺん、その背後に広がる雷を携えた黒い雲が相まって一般人を寄せ付けない雰囲気を醸し出している。
「この巨大なビルがタージェントの本拠地に違いない」
「…このビル目立ちすぎじゃない?悪の組織ってもっと隠れてるものじゃないの」
あの像とかどうなの…とエントランスの上にシンボルのように鎮座している謎の像を指差した。
一見、鷹や鷲のような猛禽類に見えたがくちばしが左右にあり、大きな赤い目が1つ。
像へ視線をやった先生は顎に手を当ててうーんと唸った。
「見る者に力を誇示し、威圧感を与える像だ…」
「バケモノ像前集合とか待ち合わせスポットにされそう」
「この像はタージェントの趣味なんでしょうか?」
「酷く悪趣味な像だな。この像を飾る気持ちは、私には理解できないよ」
全くセンスがない、とサーロインさんはバケモノ像をさらに酷評した。
センスがないのは同意するけど、誰かさんもよく悪趣味なモノ作ってたよねとあたしは心の中でツッコミを入れる。
一通りビルの外観を観察し終え、最後に残った入口に視線を落とすと、サーロインさんが一歩前へ出た。
「ビルの中には黒服たちが大勢いる可能性が高い。注意して扉を開けよう」
「アスラントの強い力が、私を呼んでいます…」
「待て待て待て。正面から行く気なの!?」
「正面に扉があるからね」
そう言う先生を筆頭に全員が、さも当然だが?という顔であたしを見る。
仮にも悪の組織の拠点のはずだがそこに正面から入るって危機感ゼロかコイツら…!
「そういう問題じゃなくてさ、『ビルの中には黒服たちが大勢いる可能性が高い』って思ってんだよね?だったらもうちょっと侵入方法考えない!?」
「あ、分かった!さっきの装甲車で入口に突っ込むとか」
「レミ!世紀末思想から帰ってきて!」
いつもなら賛成する案だが、今のあたしはフラグクラッシャーだ。
そんなハリウッドみたいなド派手なことをしたら危ないフラグが乱立するかもしれない…
レミの案を却下すると、早く中に入りたいのかうんざりした様子でルークがため息をついてきた。
「じゃあどうするんですか?」
「例えば、そこらの黒服から服を剥ぎ取って変装するとか、配達員になりすますとか、裏口から侵入するとか!」
「君、どこかに潜入した経験でもあるのかい…?」
「しかし裏口は見当たらないし、タージェントも近くにはいなさそうだが」
配達員になるにも準備がいるだろうと、先生の発言によってあたしの案は全て揉み消された。
うるさいなーじゃあどうしろって言うんだよ。
あたしはイラッとしたまま改善案を考え結論を出した。
「よし!レミの装甲車で突撃案、採用!」
「やったー!」
「やめなさい」「やめたまえ」
第十六章 ナゾ解かぬ者、ナゾに泣く
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