第十二章 竜神様降臨
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ルークは激しく後悔していた。
アーリアがいる手前、勢いで自分も名乗り出たが、その選択が間違いだったと。
ロミーとレイカのテンションが共鳴しあって、独自の世界観が作り出されてついていけなくなっていた。
アーリアは二人の様子を理解しているのかいないのか、熱心に見入っていて、自分だけ外に出るわけにもいかずもらったパンをひたすら頬張っている。
「はい、そこターンからのぉ!決め!」
「ジュリアッ!!」
「決めが甘い!指の先までビシッと力強く!」
「はい!コーチ!」
もう何度目かの謎の指導を見ていると、玄関からノック音がして、ルークがすかさず迎え入れた。
扉を開けると待ちに待ったレイトンたちがいて、何かから解放されたような気持ちになった。
「ロミーさん、ジュリアさんを助けに行きましょう」
「祠へ続く道がわかったのです。この先の森を通り抜ければ、洞穴があるそうです」
「ジュリアさんは助かるのよ!」
「なんだって!?ジュリア…おぉ、ジュリア!!」
「腕の角度が低い!」
「はい!コーチ!」
立ち直りかけていた頃のロミーと比べて、やけにキラキラオーラを放っている様子にレミたちは一歩引いた。
「げ、元気になってくれてよかったです、ロミーさん」
「それにしても、あの森に抜け道があったなんてね」
「森の地面は、土砂崩れが起きる可能性があるそうですね」
「あぁ、けど僕は森の近くにいるからどこが崩れそうな場所かわかる。スコップを持っていこう」
「天使ジュリアさんを助けに行くのに重要な装備の名称がスコップでいいと思っているのか!」
「はっ!そうだ、これはスコップじゃない…聖剣エクスカリバーだ!!」
「いや、スコップでいいんじゃないかな」
サーハイマンが静かにツッコミを入れている間に、ロミーは立て掛けていた聖剣エクスカリバー(スコップ)を背負って戻った。
「えーっと、その、抜け道?抜け道の目印はなんだい?」
「同じ道を通らずに、キノコを2つ、野イチゴを1つずつ拾いながら歩くんだそうです」
「それ絶対遭難するやつー…だがそれが貴様の愛の試練だロミ坊!」
「分かってるさ、コーチ!」
「ロミ坊って…?」
「僕に聞かないでください…」
独特な世界観に入り込んでいるロミーとレイカについて、レミがルークに訊ねるとげんなりした様子で斜め下の床を見つめた。
そんなルークを外回り組(レイトン・レミ・サーハイマン)が労っている内に、ロミーはキラキラオーラを纏って外へ出ていった。
ロミ坊に続いて外に出ると、せっかく盛り上がってたあたしのテンションがドーンと落ちて慌ててコートの前を閉めた。
家の中だったから完全に忘れてたけど、あの憎き嫌な風が外にいたんだった。
だが、我らが天使ジュリアさんのため、ロミ坊のため、ここで負けるわけにはいかない!
先ほどとは見違えるほどのキラキラオーラで準備体操をしているロミ坊に、サーロインさんとレミが近づいていった。
「みんな、準備は万端だね?ではいざ、ジュリアの元へ!」
「ロミー君、1つ忠告させてもらいたいのだが…」
「なんだい?」
「ここから先は、きっと険しい道が我々を待ち構えているだろう。だが、たとえ君1人だけになってもジュリアさんを助ける覚悟を持っていてくれたまえ。大切な人を失った後では何もかも遅すぎるのだから」
「…あぁ、わかっているよ。僕はもう、ジュリアを助け出すことしか考えられないんだ。おぉ!彼方に見えるは迷いの森!!たとえ道がわからずともジュリアの事を思って進めばきっと辿り着けるだろう!!えーっとその、洞穴?…祠に通じる洞穴に!!」
「前言撤回しよう。ロミー君だけで向かわせたら行方不明者が1人増えてしまう」
「危ないところでしたね。ロミーさん、私たちも一緒に道を探しますから」
「よしわかった!みんな、僕に付いてきてくれ。その洞穴を探しに行くぞ!!いざ~ジュリアのもと~へ~」
「ロミ坊!指先!」
「はい!コーチ!」
「…大丈夫かしら」
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