第十二章 竜神様降臨
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残念ながらサーロインさんを花嫁にして祠にぶち込む作戦は失敗してしまった。
なので丘のふもとに戻り、さっきのとんでも因習について聞き込みをすることになった。
すると協会の前で世話好きそうなおばちゃんがブツブツと何かを愚痴っていた。
というか、こちらに向かって意図的に愚痴っている。
「まったくジュリアちゃんってば祠の前でロミーちゃんと話すなんて竜神様に失礼ったらないわぁ」
「少しよろしいですか、マダム。そのロミーさんとジュリアさんの話ですが詳しく聞かせていただけないでしょうか?」
「あらやだそんな、よそ様に聞かせる立派な話じゃないわよ」
「私たち、祠に行ったときにお二人の姿を見たんです」
「まぁ~っ、目の毒でしょ!ホントにあの子たちったら、村の恥なんだから!!」
「おばさま、本当にそんなことを?」
「やあだ、当たり前じゃない」
「あの人たちを恥だなんて…あんな事続けてる方がよっぽど恥ずかしいと思わないんですか?」
レミが残念そうに訊ねると、おばちゃんはあからさまにムッとした表情になった。
レミは悪気なく地雷を踏んでいくからなぁ…
気持ちはわからんでもないけど、因習村の人に因習について指摘すれば機嫌も悪くなるだろうよ。
「…あんたたち、うちの村の儀式に首をつっこもうってのかい?」
「マダム、私たちは…」
「おおかた新聞の記事にするつもりでうろちょろ嗅ぎまわってたんだろう?」
「嗅ぎまわるなんて誤解です。私たちは花嫁さんを助けるために祠の調査をしているだけなんです!」
「おだまり!外からずかずか入ってきた奴が勝手なこと言うんじゃないよ!!このナゾに答えられなかったら村から出て行ってもらうからね!」
「…何でそこの判断ナゾにした?」
そんな勢いならそのまま追い出せばいいのに…と思いつつ、レミが解いているナゾを横から眺めた。
しかも大して難しくないナゾで、レミはすぐに答えを導き出した。
「記者にしては話がわかるじゃないか。そう、物事は絡み合っているのさ。このナゾみたいにね」
「信じてもらえないかもしれないけど、私たちはほんとに記者じゃないんです」
「この村の儀式も、貴女の素振りも全て何か事情があっての事と察します。他言はしませんよ、マダム」
未だ疑心の眼差しを向けてくるおばちゃんに、先生が丁寧な口調で言葉を紡いだ。
おばちゃんは先生をじっと見つめると何を悟ったのか、ふぅと息をついた。
「…わかった、その目を信じるよ」
「え、この目を?この目を??」
「この目で何が問題かな、レイカ?」
「何でもないです…あの、人差し指離してください…」
第十二章 竜神様降臨
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