第十章 知らぬが仏
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周りには赤い山に乾燥した大地。
風が吹けば転がる草を連れて砂埃が舞い上がる。
ボストニアス号のハッチを開けた瞬間からあたしのテンションは駄々下がりだった。
だって外に出てものの数分なのに髪はギシギシで靴の中に砂が侵入し、なんだか口の中がパサパサする。
「けほっ…!なんだか、埃っぽい所ですね」
「サーハイマン博士の下調べによると、ここはビストニオという町のようだ」
「ビストニオ…聞いたことない町です」
「空から見る限り、遺跡らしきものは見当たりませんでしたけど、エッグはどこにあるんでしょうか」
「もしかして埋まってるとか?やだよ発掘なんて、砂まみれになるしそういうのは先生が専門ですよね」
「発掘してあげようか」
「な、何をですかねー…」
「さっそく、調査開始と行きましょう!…と言いたいところですけど、人の姿が見当たりませんね」
「言われてみればそうだな」
「あ、誰か来ましたよ!」
誰もいない町の入口でキョロキョロしていると両手をズボンのポケットに突っ込んだそばかすが目立つ男がよって来た。
「ここはビストニオ。勇ましいガンマンたちの町さ」
「へぇ、西部劇みたいですね」
「ガンマンって実在したんだ」
「自称江戸っ子に言われたくないですよね」
「はぁ?聞き捨てならんな、自称弟子!早打ちで勝負するか?」
「ヘイ、ボーイにガール。観光のつもりか?ならとっとと帰った方がいいな」
「おや、何かあるのでしょうか?」
なんかしゃべりだしたおじさんを無視してルークに飛びかかろうとしたが、後ろから先生に首根っこを掴まれ届かず。
空を切るあたしに向かってルークは鼻で笑った。
こんのクソガキ…!
「荒野をなめていたら痛い目見るってことさ。ま、オレみたいなタフガイでなきゃこの町では生きていけねぇし…」
「レッドウルフだ!レッドウルフが下りてきたぞー!!」
「…レッドウルフ?」
町の方が騒がしくなり、なんだなんだとみんなでそちらを見たら、目の前の荒野のタフガイは悲鳴を上げて町の奥へ逃げ出してしまった。
「荒野のタフガイ…」
「なるほど、ああやって逃げないとこの町では生きていけないと」
「今の悲鳴と言い、ただならぬ事態のようだ。私たちも彼を追いかけよう」
第十章 知らぬが仏
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